F1ロシアGPの代替開催地は「問題なく見つかる」とドメニカリCEO。一方ソチの主催者はレース開催の可能性を主張

 F1のCEOであるステファノ・ドメニカリは、予定されていない開催地をカレンダーに加える柔軟性がF1にはあり、“まったく問題なく”ロシアGPの代替開催地は決まると述べている。

 ロシアが戦争を仕掛けるという一方的な決定を下してウクライナに侵攻したことから、F1は、今年の9月23〜25日に黒海沿岸のソチで予定されていたロシアGPを行わないことを2月25日に発表した

 そのため、F1の2022年スケジュールは23レースから22レースに削減された。しかしF1の2021年の決算発表後にウォールストリートのアナリストらと電話会議を行ったドメニカリは、9月25日に代替レースを開催するF1の力量について、自信に満ちた見方を示した。

「ロシア情勢から特に今年の状況について話をすれば、我々は過去数年間、代替開催地を見つけることにおいては非常に柔軟な対応をとり、解決策を見つけられないことなどなかったとすでに示している」とドメニカリは語った。

「そのため、まったく問題なく今年の選択肢を見つけることができると言える」

 だが奇妙なことにロシアGPのプロモーターは、F1がグランプリ中止を発表した後に独自の声明を発表し、今年のレースは予定どおり開催される可能性があると主張した。

「ロシアGPの公式プロモーターである『ANO ‘ROSGONKI’』とF1の間の契約は、不可抗力な事象により中断している」と声明には書かれている。

「購入されたチケットはキャンセルされていない。まだレースが以前の予定どおり開催される可能性があるため、今払い戻しを受ける必要はない」

2021年F1第15戦ロシアGP スタートシーン

 金曜日の電話会議でドメニカリは、F1が将来カレンダーを拡大するよう強い要求が主催者たちからあることを強調した。

「F1が大きな成功を収めているため、将来的に新たなレースを加える可能性は今も非常に高い」とドメニカリは話した。

「今後可能性がある開催地については、多くの話し合いが進行中だと言える。我々がF1にとって正しい選択だと信じる戦略的市場のために、多くの決定を下す必要がある」

「なおカレンダーは確実に拡大できる。なぜなら厳密に我々のレギュレーションであるコンコルド協定に、25レースまで増やすことができると明記されているからだ。チームは我々のビジョンに従うだろう」

「忘れてはならないのは、今年23レースが行われるということだ。これはF1の歴史でも最多のレース数だ」

「我々はそのことについて正しい見方をし、正しい判断をすることができる。そのために急いでいるわけではなく、単に目の前にあるすべてのあらゆる可能性を検討するだけのことだ」

2021年F1第15戦ロシアGP

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