アフター「ブラタモリ」~糸魚川編出演者に聞く〈2〉 渡辺酒造店代表社員・渡辺吉樹さん(60)  

 根知地区にある「糸静線が通るお家(うち)」として登場。タモリさんを「すごいな。こんな所があるんですね」と驚かせ、喜ばせた。

 諸事情から放送では、酒蔵であることは伏せた。糸静線上にできた小川が建物の中を流れる様に「一般のお宅ではないですよね」とタモリさん。日本酒を造っていると知って「『大断層』という銘柄があっていいんじゃないか」などと話は弾んだ。「周囲に気を配って、和やかにする方。上手に盛り上げようとする」。対等に接する姿勢に共感した。

 番組を見て「糸静線とフォッサマグナが『諏訪解説』によって分かりやすく整理され紹介された」と感想。「全国発信は千載一遇の機会。糸魚川ブランドをみんなで、きちっと立てていければ」。フォッサマグナ、親不知、塩の道、ヒスイなどの「とがった部分」は必要と受け止めた。

 放送翌日から、ランドマーク「豊醸蔵」には多くの人が来店。番組内で登場した水質の異なる二つの井戸には、手作り案内板を付け便宜を図った。コロナ禍で旅行や移動がままならない中でも、空気の澄んだ、密にならない当地への立ち寄りは「むしろ歓迎したい」。

外の視点で魅力再発見 地元から〝宝物〟発信を

 外からの視点でPRしてもらい、「糸魚川には、他と違うユニークなものがあると再発見。あらためて納得させられた」。アフターコロナに向け「住んでいる人間がここにある宝物を意識して、外にいかに知らせていくか。地道な活動が重要。そう思っていないと埋もれてしまう」などと思いを話した。

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