かつては小さな商店街 横浜中華街の「過去から未来」凝縮、記念誌発売 発展会協同組合設立から50周年

記念誌「横濵中華街 生業と文化」を手にする高橋理事長

 昨年で設立50周年を迎えた横浜中華街発展会協同組合(高橋伸昌理事長)が1月、記念誌「横濵中華街 生業(なりわい)と文化」を発売した。企画から4年を費やして編纂(へんさん)した一冊で、華僑・華人と日本人が力を合わせて築き上げてきた中華街の全てを詰め込んだ。同組合は「歴史を振り返り、これから中華街がどう進むべきかを考えるきっかけにしたい」としている。

 今でこそ国内有数の観光地となった「横浜中華街」だが、かつては今よりも規模の小さな商店街だった。1972年の日中国交回復を一つの契機に街の人気が高まり、中華料理店も急増。その後の観光地化の進展をけん引してきたのが、71年設立の同組合だった。

 記念誌にはそうした街の変遷をはじめ、加盟店舗の一覧、経営者らの奮闘記を掲載。同組合が掲げる街づくりの理念と、これまでの具体的な活動事例も紹介した。最近の話題として新型コロナウイルスとの闘いも取り上げたほか、日本三大中華街(横浜、神戸、長崎)の代表者が街の将来などを語る座談会も盛り込んだ。

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