アフター「ブラタモリ」~糸魚川編出演者に聞く〈3〉 長者ケ原考古館館長・木島勉さん(63)  

ヒスイなど特色を発信

 第2週の「糸魚川」の回で登場。親不知、市街地の加賀街道と塩の道、ヒスイ峡と長者ケ原遺跡を案内した。タモリさんの謎解きで進行するため、解説役に徹した。「ヒスイなど糸魚川の特色が良く紹介された」と全国発信に感謝する。

 長期滞在し調査したディレクターの熱意に応え市内をくまなく案内。3回放映できるほど材料がそろった。それ故に、この回は「詰め込みすぎたかな」との反省もあったという。

 番組では、親不知を「東西文化を隔てる場所」、塩の道を「海と内陸の文化をつなぐ場所」、糸魚川は二つがともにある「奇跡的な場所」とした。親不知は明確な文化境界ではなくて、「厳しい地形をも越えて街道、海路で人や物が行き交った」意味合いも込めたと話す。

 タモリさんの印象は「穏やかで博学の人」。撮影では他にも文化施設を紹介したが、大きなリアクションに至らず編集上、番組では登場しなかった。〝予定不調和〟もブラタモリならではの作法。

 後半はヒスイ誕生の秘密、世界初のヒスイ加工とその不思議などに触れた。ハイライトは、竪穴住居の中でヒスイに光をかざすシーン。タモリさんと浅野里香アナウンサーは「石の中にある自然の緑色」に感動した。

「面白い所」受け止める

 「(北陸新幹線糸魚川駅では)私を含め5人しか降りなかったが、糸魚川、面白い所です」と締めくくったタモリさん。「本当にすごい所なのに知られていない」との裏返しと受け止めた。今後、遺跡の企画展や調査報告会を計画している。

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