アカデミー賞で国際長編、ドキュメンタリー、アニメーションにノミネートの快挙 「FLEE フリー」公開決定

本年度アカデミー賞で、史上初となる国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞3部門ノミネートの快挙を成し遂げたドキュメンタリー映画「FLEE フリー」が、6月に劇場公開されることが決まった。

「FLEE フリー」は、アフガニスタンで生まれ育ったアミンについての作品。幼いアミンは、ある日父がタリバンに連行されたまま戻らず、残った家族とともに命がけで祖国を脱出した。やがて家族とも離ればなれになり、数年後たった一人でデンマークへと亡命する。やがて、30代半ばとなり研究者として成功を収め、恋人の男性と結婚を果たそうとしていたアミン。だが、彼には恋人にも話していない、20年以上も抱え続けていた秘密があった。親友である映画監督の前で、アミンは壮絶で過酷な半生を静かに語り始める。

主人公のアミンをはじめとする人々の安全を守るため、アニメーションで制作された本作品。タリバンとアフガニスタンの恐ろしい現実や、祖国から逃れて生き延びるために奮闘する人々の過酷な日々、居場所を奪われることで傷つけられる人間の尊厳を、美しく残酷に描き出している。完成した作品は、昨年のサンダンス映画祭でワールド・シネマ・ドキュメンタリー部門の最高賞(グランプリ)を獲得。アヌシー国際アニメーション映画祭では最高賞となるクリスタル賞ほか3部門を受賞するなど、ドキュメンタリーやアニメーションという表現の垣根を越えて高い評価を受けている。

自身も迫害から逃れるためにロシアを離れたユダヤ系移民であるヨナス・ポヘール・ラスムセン監督は、「難民であることはアイデンティティではありません。それは誰にでも起こりうる状況です。アミンは難民ですが、彼はそれだけではありません。彼は学者であり、家の所有者であり、夫なのです」とインタビューで語っている。

【作品情報】
FLEE フリー
2022年6月、新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン 池袋他全国ロードショー
配給:トランスフォーマー
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