千葉哲也演出、勝村政信×高杉真宙 2人芝居。劇場の中で繰り広げられる俳優たちのヒューマンドラマ「ライフ・イン・ザ・シアター」開幕!

「劇場」を舞台に、芝居に生きる俳優の悲喜こもごもを描いた舞台「ライフ・イン・ザ・シアター」2022年3月3日、東京・新国立劇場 小劇場にて幕が開く。
本作は、現代アメリカ演劇界を代表する劇作家、デヴィッド・マメットが綴る2人芝居。
1977年、シカゴでの初演以降、ブロードウェイはじめ世界各地で上演され続け、数々の名優によって演じられてきた不朽の名作、日本では16年ぶり、3度目の上演となる。

今作で年配で演技力のあるベテラン俳優・ロバートを務めるのは、勝村政信。また、勝村演じるロバートを慕い、日々役者として様々なアドバイスを受ける若手俳優のジョンを演じるのは高杉真宙
舞台上や楽屋裏、出番直前の舞台袖や衣裳部屋など、劇場の中の様々な場所で繰り広げられる、2人の俳優たちの会話や日常を切り抜き、90分で描くオムニバス風ヒューマンドラマ。
時に切なく、時にクスッと笑える、月日の流れと共に変わりゆく「世代もキャリアも違う二人の俳優」の心情を描く。
演出を務めるのは、俳優で演出家の千葉哲也。演劇企画集団「THE・ガジラ」に旗揚げから参加し、演出家としては「いま、ここにある武器」、「青」(16年)で読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞するなど高い評価を得ている。自身も俳優である千葉が、何気ない「俳優の生きざま」を描く。

幕開きの音楽は陽気なラテン系。登場人物はベテラン俳優・ロバートと若手俳優・ジョンのたった2名。ちょうど、公演が終わり、二人とも私服を着ている。「お疲れ様でした!」この日の芝居についてあれこれ熱くアドバイスしたりするロバート、それを熱心に聞いているジョン。ジョンの良かったところを褒めるロバート、素直に喜ぶジョン。「今日みたいな舞台は充実感がある」と笑顔のジョン、それを見てロバートの口元も緩む。他愛のない会話、「1日中ロブスターが食べたい」と言ってみたりするジョン。体重が気になる年頃のロバート。劇団の先輩後輩の間柄、微笑ましい印象を受ける。

芝居の内容は色々、戦争もの、第一次世界大戦を題材にしたもので二人とも軍服を着ている。爆撃の音、スモークが・・モクモクと。その次はフランスもの、時代がかった衣装を見に纏い、殺陣の練習をする二人、ジョンは思わず、カツラをとってロバートに頭を下げたり、と可愛いシーン。

<オフィシャル写真>

殺陣に力が入りすぎて切先があわや!ヒヤリとする場面もあり、彼らのなんでもない日々が綴られる。月日は経ち、ロバートは歳をとり、それなりに記憶力も衰え、いわゆる”運動能力”も下降線。それに対してジョンは頑張りが認められて少しずつ大きな役をもらうようになり、月日の流れに従って2人の関係も微妙なものになっていく。その過程がなんとも言えず、哀愁漂う。舞台上でヘマをやらかすロバート、それはどうしようもないこと。彼だってヘマしたくはないのだ。それを見てイラつくジョン、時には衝突もする。両方の気持ちがわかるだけあって切ない。彼らの私服もちょっとずつ変化が。ラストの景色はちょっとしょっぱい。ロバートを演じる勝村政信は1963年生まれ、来年で還暦を迎える、リアルベテラン俳優、味のある挙動、また、失敗して慌てふためく様子などは可愛らしさもあり、「ちょっとぐらいの失敗、ドンマイ」と声をかけたくなるキャラクター作りで好感を感じる。対するジョンを演じる高杉真宙は1996年生まれ、勝村政信とはちょうど親子ぐらいの年齢で、この差が舞台にいい雰囲気を作る。高杉真宙自身はすでに多くのキャリアを積んでいるが、最初は初々しく、後半は自分に自信がついてきたのか、挙動も落ち着いた感じを出しており、勝村とのバランスも良い。
例えば、会社でかつては実績を上げていた上司も定年が近づくにつれて、このロバートのようになってしまう方々も多いと思う。思うように頭と体が動かない、今までできていたことができなくなってしまった、そんなことの一つや二つはあるはず。そして若かった頃、できなかったことができるようになる喜び、ジョンは演技を褒められてシンプルに喜ぶ場面があるが、そういう経験もまた、皆、あるはず。笑ったり、ちょっと酸っぱかったり、しょっぱかったりしながら人生や人間というものを噛み締めることができる舞台。演出は自身も俳優活動をしている千葉哲也。

ゲネプロの前に会見があった。登壇したのは、勝村政信と高杉真宙。

「ようやくここまできた」「今日を無事に迎えられたことが本当に幸せ」と二人とも開幕できることについて喜びの第一声。二人芝居なので、セリフは多く、しかもほぼ出ずっぱり。二人芝居は4回目という勝村政信は「まだ、ちゃんと覚えていません」と笑わせた。また、高杉真宙は「14歳の頃に最初にお会いした」と勝村政信との出会いを語った。そして「1ヶ月稽古して嬉しい、ついていきたい」とそのままジョンのような発言。さらに「自分自身、」稽古場ではいろんなものを受け取れた。ご一緒できて良かった。もっとお芝居とか知りたい」と発言。それに対して勝村政信は「失ってしまったエネルギーに引っ張られてここにいる次第」とまた笑わせた。また、稽古も相当こなしたそうで、濃密な舞台、最後まで完走してほしいものだ。

<作品紹介>
現代アメリカ演劇界を代表する劇作家、デヴィッド・マメットが綴る、90分間の2人芝居!
ベテラン俳優と、無限の可能性を秘めた若手俳優。時の流れとともに、いつしか立場も変わってきて…
世代もキャリアも違う2人の俳優が、舞台上や楽屋裏、舞台袖や衣裳部屋など、劇場のあらゆる場面で交わす、時に切なく、時にクスッと笑える、何気ない会話をオムニバス形式で描いたヒューマンドラマ。
普段俳優たちが観客に見せることのない舞台裏の姿や、その生き様を通して浮かび上がる人生の悲喜こもごもを描く。
1977年にシカゴでの初演以降、ブロードウェイはじめ世界各地で上演され続け、数々の名優によって演じられてきた不朽の名作。

< ストーリー>
劇団の看板俳優であるベテランのロバートは、最近劇団に入ったばかりのジョンに、今日もさまざまなアドバイスをしている。
舞台とは何か、役者とは何か、演じるとは何か…その熱弁を、ジョンは熱心に耳を傾けていた。
月日が流れ、初々しかったジョンも徐々に芝居が評価され、大きな役に抜擢されるなど順調にキャリアを築き始める。
それとは対照的に、集中力や記憶力の低下など、ロバートは逃れられない老いに不安を感じ始め…

< 「ライフ・イン・ザ・シアター」 公演概要 >
●CAST
ロバート:勝村政信
ジョン:高杉真宙
●STAFF
脚本:デヴィッド・マメット
翻訳:小田島恒志
演出:千葉哲也
日程・会場:
[東京公演]
2022年3月3日~3月13日 新国立劇場 小劇場
その後、大阪、広島、福岡、札幌、金沢にて上演
企画・製作・主催:エイベックス・エンタテインメント
問合せ:公演事務局 https://supportform.jp/event (平日 10:00~17:00)
公式HP:https://lifeinthetheatre.jp/
公式Twitter: https://twitter.com/litt_2022 @litt_2022
オフィシャル撮影:岩田えり

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