「西行桜」樹勢回復へ 大田原の光丸山法輪寺、地元有志ら実行委

現在の西行桜。北側(根元から左)と南側に幹が分かれている

 【大田原】佐良土の光丸山法輪寺境内にある市天然記念物のシダレザクラ「西行桜」の南側の幹が、ほぼ枯死状態であることが3日までに分かった。市を通じて樹木医が診断した。寺は延命処置などに取り組む方針で、地元有志らも「樹勢回復プロジェクト実行委員会」を設立して支援。「西行桜まつり」を開いて新たな御朱印を頒布し、御朱印料の一部を樹勢回復費用に充てるほか、広く募金も募る考えだ。

 西行桜は、推定樹齢800年で、西行法師が奥州行脚の際に訪れ句を詠んだとされる。根元から幹が南北に二股に分かれ、北側の幹は高さ12メートルある。

 ここ数年、桜の花つきを心配する参拝者らの声が増え、1月下旬、日本樹木医会県支部の樹木医2人が診察。南側の幹の枯死状態のほか、北側の幹でも枝枯れや弱りが目立ったという。

現在の西行桜。南側(根元から手前)と北側に幹が分かれている
3月19日から頒布する切り絵の御朱印

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