DeNA山崎康晃、不振の2年間は「必要だったと信じている」 守護神奪回へ明かした決意

インタビューに応じたDeNA・山崎康晃(画像はスクリーンショット)

キャンプで目立った明るい表情「順調に来ています」

横浜DeNAベイスターズの山崎康晃投手が、守護神奪回へ燃えている。「Full-Count」のインタビューに応じ、今季に向けた覚悟や、不振に苦しんだ昨季の悔しさなどを明かした背番号19は、自身の、そしてチームの「反撃」を宣言した。

8度目の春季キャンプは、笑顔が目立った。沖縄・宜野湾で1か月間みっちり鍛えた山崎の表情は明るい。ブルペンでの投球練習から気合の声が上がり、体重移動を意識してワインドアップで調整するなど、前向きな挑戦を続けた。

「順調に来ていますし、投げたい球も含めて感覚的には非常にいい位置にいるのかな。例年になく色んな事に挑戦しながら、色んなヒントを拾いながら投げることができています」

入団1年目から任された「クローザー」。2020年途中に結果を残せず配置転換を経験すると、2021年は中継ぎからのスタートとなった。三嶋一輝投手の不振から、一時は抑えに復帰するも、シーズン終盤には2軍落ち。その経験を振り返り、隠すことなく思いを打ち明けた。

「昨年は非常に悔しい思いをしていました。9回のマウンドを自分が8回に投げ終えて見ていたり、(ブルペンの)モニターで見るようなことが多かったので、本当に羨ましいなという部分と、いつかあの場所に戻りたいという思いがずっとありました。悔しさをずっと持っていましたよね、気持ちの中で。その気持ちはわざと正面からぶつかるようにしていました。悔しさ露わにするときもありましたし、まだまだと自分自身に言い聞かせたときもありました。僕の中でも昨シーズン、非常に思い出深いシーズンになったのかなと思います」

史上7人目の通算200セーブ達成の期待も懸かる【写真:小谷真弥】

通算200セーブの快挙まであと30に迫っている

今季への強い意気込みを示すように、オフから自分を磨いた。「とにかく結果を残すしかない。覚悟を持ってキャンプに臨んでいます」という言葉は、背中で示している。後輩たちも増えて質問される機会も増え「もう中堅くらいになっちゃうんですかね。若い子たちも接しやすい雰囲気を目指してやっています」とブルペンの中心選手としての自覚をにじませた。

最下位からの巻き返しを図るチームスローガン「横浜反撃」は、山崎自身にも当てはまる。苦しんだこの2年間の経験は、どう生きるのだろうか。

「この後が大事だと思います。しっかり守護神に戻って9回、最後を投げられるようになって、それでいい時間になったと思えるようにしたいです。僕自身に絶対に必要なことだったと、無駄な時間を過ごしてないと今もずっと信じています。少なからず色んな経験させていただいたので、それも含めて自分自身の力に変えていきたいと思います」

見据えるのはもちろん、最後のマウンドに立って試合を締めることだ。「これまで以上に、1年間燃え尽きてチームを勝たせたいという気持ちが今年は非常に強いです。9回のマウンドに戻って“ヤスアキジャンプ”をしてもらえるように。あとはチームのリーグ優勝に向けて頑張っていきたいと思っています」と誓いを立てた。

抑えの座に返り咲けば、あと30に迫った史上7人目の通算200セーブ達成の期待も懸かる。山崎が最終回を抑えてチームを勝利に導けば、「反撃」の道は開けていく。(町田利衣 / Rie Machida)

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