スポーツ界にも大きな影響を与えているロシアのウクライナ侵攻。
マンチェスター・シティのウクライナ代表DFオレクサンドル・ジンチェンコは『BBC』のインタビューでこう述べた。
オレクサンドル・ジンチェンコ
「英国時間の深夜、妻に起こされた。彼女は泣いていた。
自分はショックを受けた。妻がビデオや画像でウクライナで何が起きているかを見せてくれた。
一番近い感情は、身内の誰かが死んでいく時のものだ。心の中がひどく嫌や気分になる。でも、今回はそれ以上に悪いものだ。
ただ泣いている。もう1週間が経った、もう(日数は)数えていないけれど。
車で練習場に行く時など、どこでも何もなくても涙が出る。
心の中にはそれしかない。自分が生まれた場所、育った場所を想像してほしい。そこが何もない地面になることを。
正直、娘や家族がいなければ、自分も国に戻っていただろう。
生まれながらにしてそうなんだ。祖国の人々、彼らのメンタリティ、全員が同じ考えをしている。
ウクライナ人であることをとても誇りに思うし、今後の人生でも永遠にそうだ。彼らがどれほど命をかけて戦っているのが分かるはず。
僕は我が国の人々の国民性が分かる。死ぬほうを好むし、死ぬだろう。でも、あきらめないはずだ」
「(サッカー界からの支援には)とても感謝している。このようなサポートを受けることができて、全ての人にとても感謝している。
こんな風になるとは思っていなかった。だから、全員に大きな感謝を伝えたい。
ウクライナの多くの仲間からたくさんのメッセージを貰っている。(英国での)サポートのビデオについて聞かれる。
だから、彼らはテレビやサッカーを見ているし、そういうことを見ることができている。彼らにとって大きな助けになると思う。
ウクライナを応援している人達が『あきらめるな』と背中を押してくれるような感じだ。そして、我が国の人達も自分たちが諦めないことを知っている」
「自分たちの味方である多くの人達と話した。彼らはロシアのTVが見せているやり方は馬鹿げていると言っていた。
ウクライナで起きている本当の真実を世界に示すことが自分の使命だ。
ウクライナの最下端部では、民間人とロシア人がやってきて、『ロシアと一緒になりたい』みたいな偽の抗議活動をしている。
自分は100万枚の写真、100万本のビデオを見せることができる。彼らが何をやっているかについての。我が国の全ての街が破壊された様子を見せることができる。
人々は飢えている。ただ生き延び、地面や壕で寝ていて、まともな暮らしができていない。
この数日、このインタビューを受けるべきか否かを考えていた。
だが、自分はこのことを無視しないでほしいというメッセージを全ての人に送りたかった。この戦争をやめなければいけない」
「誰一人として(ロシア選手たちが何も言わないことに)驚いた。
彼らのほとんどが代表チームでプレーしているし、InstagramやFacebookに多くのフォロワーを抱えている。
この戦争をやめさせるために、最低でも何かをすることはできる。人々は彼らに耳を傾けることができるのだから。
彼らが恐れているのは知っている。でも、何を恐れている?彼らは何もするつもりがない。
少なくとも、彼らは自分たちの立場を表明することができる。
だが、それをせずにただ無視している。なぜなのか分からない」
FIFAとUEFAはロシアチームを大会から排除する声明を発表している。
一方、ロシア代表のキャプテンであるアダム・ジュバはその処分に反対しつつ、「ロシア人であることを誇りに思う」と述べている。