原田泰治さん死去 さだまさしさん「尊敬する兄貴」 長崎県関係者ら哀悼 

 2日死去した原田泰治さんは、ナガサキピースミュージアム(長崎市松が枝町)の開設当初から同館の名誉館長を務めた。作品展の開催などで長年運営を応援してきた原田さんに、関係者らが哀悼の意を示した。
 同館は歌手のさだまさしさんらが発起人となり、2003年に開設した平和情報の発信施設。さださんと親交があったことから原田さんが名誉館長に就いた。
 「突然の知らせでショックだ」。同館の専務理事、増川雅一さん(80)は動揺を隠せない。来年の開設20周年に向けたイベントのため、連絡を取ろうとした矢先に訃報に触れた。
 日本の懐かしい風景を描き続けた原田さん。謙虚で温かな人柄で、同館で開いたサイン会でも来場者一人一人と丁寧に言葉を交わす姿が印象的だったという。「先生が守ってこられた昔ながらの暮らしや自然、風土を大事にする気持ちは平和に通じること。引き継いでいきたい」と増川さんは決意を新たにした。
 さださんは自身の公式インスタグラムに、原田さんと二人で写った写真とコメントを掲載。「寂しくて言葉も出ない。僕にとっては尊敬する一番の兄貴で、最高の呑(の)み友達。まだ思い出なんて話せないよ。泰ちゃん、寂しい」と悲しみをにじませた。


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