悪送球を無くすには? 巨人・坂本や西武・源田ら名手も実践する“小指”への意識

巨人・坂本勇人【写真:荒川祐史】

正しい腕の振りで投げられた球は「ややシュート回転」すると言われる

しっかりとしたスローイング技術を身に付けたい。そんな野球少年のためにFirst-Pitch編集部が様々な指導者の取材を通じて知ることができた練習方法を紹介します。今回は「スローイングの基本」について。初心者から、送球のレベルを上げたい中級者までに知っておきたい基礎を解説します。

【写真3枚】西武・源田や巨人・坂本ら…送球後に小指が上を向く

野球の現場では「失策の大半は送球によるものである」と言われています。特に、少年野球では送球によるエラーが絶えません。毎試合のように起きてしまう送球エラーは「ややシュート回転」させるイメージで投げることで改善が見込めると言います。

正しい腕の振りで投じられたボールは「ややシュート回転」すると言われています。これは、リリースまでの一連の動きの中で、手のひらが自分の方を向いている状態から、リリース時にかけて正面を向き、ボールが離れる瞬間から外側に向く「内旋・外旋運動」に由来しています。

しかし、ボールの回転だけを意識しても動きの意識が変わらなければ、なかなか良い結果はついてきません。そこで、投げ終わった後に「小指が親指よりも上」に来ることを意識して「ややシュート回転」するフォームを身に付けるといいでしょう。

投げ終わった後は「小指が親指よりも上」

日本球界を代表する遊撃手の巨人・坂本勇人内野手や西武・源田壮亮内野手のスローイングを見ても、投げ終わった後は必ず「小指が親指よりも上」にあります。なので、キャッチボールから「ボールをリリースした後は小指が上に来るように……」といったイメージを持つといいでしょう。さらに、「少しシュートするからこの辺に…」と軌道のイメージまでできれば確度は上がります。

悪送球が多い選手の中には「とにかく速く投げる」「強いボールを投げる」といった意識が強くなりすぎ、腕を振り回したり、思いっきりボールを叩くように投げてしまう傾向が見られます。速さや強さの前に安定感が求められるスローイングにおいて、意識を「小指」に向けてあげることは、考え方の転換として効果的な取り組みです。

スローイング技術の向上には、送球する形だけでなく、このようなイメージや意識の持ち方も大切な要素です。どれかひとつの動きばかりに偏りすぎるのもよくありません。例えば、小指の動きばかり意識しすぎると「手投げ」や「内旋投げ」といった肩肘の故障リスクを高める投げ方になってしまう可能性もあるので、連動する動きの中にポイントがいくつかあると捉えることをおすすめします。

安定した送球は、プロ・アマ問わず大きなアドバンテージになるので、この際にスローイングの土台を固めてみてください。(Full-Count編集部)

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