アストンマーティンF1チーム代表のマイク・クラックは、F1にパワーユニット(PU)に関する新たなレギュレーションが導入される2026年に向けて、自社でパワーユニットを製造することを本格的に検討していくと語った。
F1は、2026年シーズンから次世代のパワーユニットを導入することを予定している。新レギュレーションでは、1.6リッターV6ハイブリッドという形式は維持されるものの、MGU-Hが廃止され、電気出力が350kWに引き上げられる。さらに、パワーユニットのコスト制限が導入される計画だ。
これによりフォルクスワーゲングループがF1参入に関心を持っているといわれ、ポルシェとアウディが2026年からのF1参戦について検討している。
一方、このレギュレーション変更により、現在メルセデスのパワーユニットを搭載するアストンマーティンF1チームも、自社エンジンの製造を検討することを明らかにした。
チーフテクニカルオフィサーを務めるアンドリュー・グリーンは、先月、「将来の大きな目標として、まさに我々は長期的なパワーユニット供給について調査を行っている」とグリーンは語った。
「2026年に向けて新たなパワーユニットレギュレーションについての議論がなされており、我々チームも関与したいと思っている」
「現在では(サウジアラビアの国営石油会社)アラムコがスポンサーとして加わっており、今後数年のことについて話し合いをしていくところだ。そのうち明確になるだろう」
「詳細な調査を行い、その方向へ進むことがメリットとなるのかどうか理解していく」
チーム代表クラックは、アストンマーティンは現在のメルセデスとのエンジン供給契約に満足していると強調する一方で、グリーンと同様に、自社でのエンジン開発の実行可能性を調査することが重要だと述べている。
「アストンマーティンのようなブランドでは、新たなパワーユニットレギュレーションがあればそれを検討し、戦略的に適切なことか調査を行うのは普通のことだ」と今週正式にアストンマーティンでの仕事を始めたクラックは語った。
「またF1が、電力において、ハイブリッドに比重を置いていくことは、正しいステップだと考えている」
「(自社製パワーユニットを)2026年に導入するのは、スケジュールの面でも合理的である。他のライバル企業もエントリーを検討していることが分かっているからだ。2026年に自社のパワーユニットでグリッドに並ぶという判断を下すことは合理的だ」
「今、検討すべき時が来ている」