窮地で崩れたDeNA三浦銀、踏みとどまったオリ山本
■オリックス 12ー1 DeNA(オープン戦・5日・横浜)
DeNAは5日、本拠地・横浜スタジアムで行われたオリックスとのオープン戦で1-12の惨敗を喫した。プロ初先発したドラフト4位ルーキー・三浦銀二投手が、2回途中までに押し出し四球を含む3四球を与え、4安打5失点でノックアウト。オリックス先発で球界を代表する右腕の山本由伸投手に格の違いを見せつけられた。
初回だけで言えば、ルーキーの方が内容で上回っていた。三浦銀は1番・渡部を7球全てストレートで右飛、続く安達も内角高めの速球で詰まらせ二ゴロに打ち取った。福田のどん詰まりの当たりは、不運にも二塁内野安打となったが、昨年の本塁打王の杉本から内角高めの141キロ速球で空振り三振を奪ってみせた。
ところが、2回はまるで別人だった。先頭の宗に右翼線二塁打を許すと、太田、野口に連続四球を与えて無死満塁。1死となった後、来田に右前適時打を浴びると、渡部にはストライクが入らずストレートの押し出し四球を献上した。さらに安達に走者一掃の3点適時二塁打を許したところで降板を命じられた。
試合後、三浦大輔監督は「ブルペンから緊張していて、いい立ち上がりをしたことでホッとして、2回は緊張感を保てなかったのかな」と首を傾げ、三浦銀本人は「2回に入って慎重になってしまった」と反省していた。
三浦監督は評価「ルーキーですから、課題があるのは当たり前」
三浦銀とまさに対照的だったのが、山本の投球だった。この試合が今年初の実戦登坂とあって、初回にいきなり4連打を浴び、あっという間に先制点を許した。「実戦感覚で忘れていた部分があった」というが、ここできっちり修正できるのが、山本が山本たる所以か。
なおも無死満塁のピンチが続いたが、宮崎を一邪飛に打ち取り、続く知野にはフルカウントから128キロのカーブでタイミングを外して遊ゴロ併殺に仕留め、最少失点で切り抜けた。「3ボールになってからの投球には、自信がある方なので」と事もなげに振り返った山本は、2回を簡単に3人で片づけ、2回4安打1失点で実戦初登板を終えた。
ノーアウトのランナーを許し、制球を乱した三浦銀と、満塁で3ボールになっても泰然としていた山本。登板前日に「せっかく投げ合うので、山本さんから勉強できる所は勉強し、盗める所は盗みたい。歩幅やマウンドをどう使うかに興味があるので、イニング間に確認したい」と語っていた三浦銀だが、その差はまだ大きかった。
三浦監督は「ルーキーですから、課題があるのは当たり前。初回にプロの打者を抑えたという事実はある」と前向きに評価した。先発かリリーフかはともかく、「次回も複数イニングを見てみたい」と今後も1軍でチャンスを与える意向を示す。プロ生活の先は長い。どこまで山本に近づけるだろうか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)