東京の音大に「飛び級」入学 真岡、ホルン奏者目指す16歳今石さん

愛用のドイツ製ホルンを手にする今石さん

 【真岡】「ジュニアソロホルンコンクール」(日本ホルン協会主催)の20歳未満のカテゴリーで中学時代に優勝するなどした西郷の今石素介(いまいしもとすけ)さん(16)が、東京都内で2月に開かれた「第2回全日本学生国際ソロコンクール」(管打楽器部門)でグランプリに輝いた。一昨年進学した真岡高は練習時間をつくるため1年時に自主退学。高校卒業程度認定試験(旧大検)を昨秋クリアし、今月1日に受験した桐朋学園大(東京都調布市)への「飛び級」入学も決まった。今石さんは「プロの演奏家を目指しさまざまな経験を積みたい」と決意を新たにした。

 同コンクールは一般社団法人国際親善音楽交流協会(東京都渋谷区)が主催。全国の中高生や大学生約300人から応募があり、録音審査を通過した今石さんら51人が2月5日に都内の旧東京音楽学校奏楽堂で行われた本選に臨んだ。

 国内の一流演奏家ら6人が審査員を務めたほか、審査委員長としてオーストリアのウィーンムジークセミナーで芸術監督を務める指揮者クルト・シュミットさんがオンライン参加した。

 今石さんはリヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第1番第1楽章を演奏。「伸びのある豊かな音色が素晴らしい」「決して簡単とはいえないこの曲を軽々と演奏している」などの高い評価を得て、51人中の最優秀奏者に贈られるグランプリを射止めた。

 「管打楽器部門のコンクールでホルンが1位になることはめったになく、非常に驚いた」と今石さん。自信を持って桐朋学園大の実技試験に挑み、今月4日に合格の知らせが届いた。

 今石さんは、ホルン奏者としてNHK交響楽団などに在籍していた昭和音楽大の中島大之(なかじまひろゆき)教授の個人レッスンを受けている。桐朋学園大で1年間学び、年齢制限で本年度受験できなかった昭和音楽大への進学を目指す。

 今石さんは「これまで支援してくれた両親に感謝している。海外留学なども視野に入れ、音楽家としての技術や人間性をさらに磨いていきたい」と意欲を語った。

© 株式会社下野新聞社