ふわふわオムレットと美味しいコーヒーの「cafe 2MUG(カフェニマグ)」は、アパレルショップ「このいと紡 tsumugu」の奥にある隠れ家カフェです。
静かで美しい中庭を眺めながら、のんびりカフェタイムなんて素敵ですよね。
すっぽりと収まりの良いオムレットは、テイクアウトにもおすすめ。
旬の果物をたっぷりと使ったオムレットは、軽い口当たりで何個でも食べられそうです。
美観地区の憩いスポットになりそうな、おしゃれなカフェ「cafe2MUG」を紹介します。
ウッドデッキの中庭が美しいcafe 2MUG(ニマグ)の外観
しっとりとした雰囲気が素敵なアパレルショップ、「このいと紡tsumugu」の店内を抜けると、ウッドデッキの奥に「cafe 2MUG」が現れます。
建物は窓が大きく、開放感でいっぱい。
以前はイベントスペースとして活用していたそうです。
「cafe2MUG」と「このいと紡 tsumugu」のあいだにある中庭。
美観地区のなかにあり、ここだけ「しん」と静かで、ぽっかりとした空が気持ちの良い空間です。
通称「誰にも分からない木」とキャスター付きのテーブル。新緑が青々と美しいですね。
夏に向けて、ウッドデッキでの飲食も計画中だそうです。
KITA WORKSが手がける、スタイリッシュな店内
cafe 2MUGの店内。スタイリッシュでかっこいい!
カフェの内装や店内のスツール(椅子)は、すべて「KITA WORKS」が制作したものです。
KITA WORKSは、岡山県津山市にある家具工房。岡山で有名なキノシタショウテンなどの什器(じゅうき)も手がけています。
「初めは窓から見える景色にギョッとしましたが、だんだんこれも味になってきました」
と店長の早川さんが言われる通り、レトロを通り越した窓際の眺め、かなり好きです。
こちらのおしゃれな椅子も、もちろんKITA WORKSのもの。
おどろくほど座り心地が良く、安定感とデザイン性を兼ね備えています。
背が低い筆者でもまったく疲れませんでしたよ。
店内からは、中庭の美しい緑が臨めます。緑が目に映るとホッとしますね。
備前焼のマグが並んだ、珍しいスケルトンのエスプレッソマシーン。
コーヒーの淹れ方は、オープン前に「キノシタショウテン」で学んだそうです。
オムレットと並んでカフェの看板メニューになりつつある焼菓子。
店長さんのお好きなものを中心に、これからも新しい焼き菓子が並びます。
通販サイトで販売されている焼菓子のギフトセットです。
お店まで足を運べない…という人は、お取り寄せでcafe 2MUGの焼菓子を味わってみてはいかがでしょうか。
cafe 2MUGのメニュー。岡山県産づくしのオムレットにかき氷
常時、7~8種類のメニューが並ぶ「オムレット」。
レギュラーが6種類、季節限定が1、2種類ほどのラインナップです。
取材時は「岡山県足守産のメロンオムレット」が季節限定商品。
季節によって、イチゴや安納芋のスイートポテト、桃、ぶどう、いちじくなど、岡山県の旬のフルーツがオムレットになりますよ。
また、抹茶には「藤戸饅頭」のあんこが使用されているそうです。
セットでお得なドリンクメニュー。
コーヒーはキノシタショウテンから、甘酒も倉敷市にあるマルクラ食品のものを使用しています。
夏限定の「かき氷」。かわいいメニュー表はスタッフの手作り作品なんだとか。
もちろんシロップや金時の粒あんは自家製。テイクアウトもできますよ。
カフェのメニューには、お店のこだわり「岡山県の美味しいものを伝えたい!」という思いがたくさんつまっています。
米粉に卵、フルーツ、そして備前焼の食器にいたるまで、丸ごと岡山を味わえるメニューです。
旬のメロンたっぷり!岡山県足守産のメロンオムレット
「米粉が軽いので、2つでもペロッと食べられますよ」
その言葉を信じて、贅沢(ぜいたく)に2種類注文してしまいました。食べきる自信しかありません!
プレート、カップは備前焼「一陽窯(いちようがま)」のもの。窯元まで出向いて、オムレットに合う器を探したそうです。
こちらは季節限定メニュー、「足守産のメロンオムレット」です。
足守(あしもり)メロンといえば、岡山県を代表する高級メロンで有名な産地。
その希少さから、「幻のメロン」と呼ばれることもあるのだとか。
ふわふわのオムレット生地のなかには、米粉で作ったカスタードと岡山県蒜山(ひるぜん)産生クリームをブレンドしたクリーム、そして足守メロンが贅沢(ぜいたく)にトッピングされています。
一口食べると、メロンの果肉が口いっぱいに広がり、瑞々しく爽やかな風味、そしてなんといっても味の濃さに驚きです!
ふんわりしっとりとした生地に、甘さ控えめのクリーム、そしてジューシーなメロンの組み合わせは、旬の季節でしか味わえないオムレットですね。
店長さんおすすめ!ラムレーズンのオムレット
さて、気になるもうひとつのオムレット。どれにしようか悩みますよね。
店長さんと相談したところ、こちらの「ラムレーズン」にしました。
「洋菓子店のレーズンバターサンドをイメージした」というオムレット。
レーズンサンド好きの筆者としては、頼まないわけにはいきません!たっぷりのクリームが嬉しいですね。
こ、これは……レーズン好きなら一度は食べてみて!
オムレットとクリームの一体感が素晴らしく、2つ目だというのにスイスイお腹に入ります。
クリームにはホワイトチョコレートのコクが加わり、レーズンとの相性もばっちりです。
キノシタショウテン直伝、まったりとした味わいの「カフェラテ」(税込605円)。
備前焼のカップが手に馴染みます。ラテアートもかわいいですね。
夏季限定、自家製シロップのかき氷
夏季限定のメニューも紹介しましょう。備前焼の器に、自家製金柑シロップたっぷりのかき氷です。
岡山県笠岡市の金柑を使い、ひとつひとつ手作業で種を取り、シロップを作っています。
「今までの金柑のイメージが変わる」かき氷だそうですよ。食べてみたい!
すべてのメニューがテイクアウトできます
cafe 2MUGは、オムレット、ドリンク、かき氷、焼き菓子と、すべてのメニューがテイクアウト可能です。
カフェのロゴを背景に、こんなおしゃれな写真も撮れますよ。
オムレットを頬張りながら、美観地区をぶらぶらお散歩なんていかがでしょう。
手が汚れない、かわいらしいパッケージも素敵です。
2020年3月にオープンした「cafe 2MUG」。
店長の早川翼(はやかわ つばさ)さんに、お店のことやオムレットの魅力などをインタビューしました。
岡山の美味しさをオムレットで味わって。cafe2MUG 店長、早川翼(はやかわ つばさ)さんインタビュー
インタビューは2020年6月の初回取材時に行った内容を掲載しています。
──お店はアパレルショップの奥、ちょっと珍しい場所にありますね。カフェをオープンした経緯をお話しください。
早川──
もともと、カフェの建物と「このいと紡 tsumugu」(以下、このいと紡)は同じオーナーさんの持ち物です。
cafe 2MUGと、このいと紡は、言うならば姉妹店のようなものでしょうか。
これまでカフェのスペースは(倉敷ジャズストリートなどの)イベント限定で解放されていたのですが、「美観地区に来る人が休める場所を作りたい」とカフェに改装されました。
このいと紡の店前にカフェの看板を出しているので、お洋服を見つつ、カフェにも来てもらえたらと思います。
──カフェの店名「2MUG」ですが、ニマグと読むのでしょうか。名前の由来は何かありますか。
早川──
はい、「ニマグ」と読みます。2つの意味から2MUG(ニマグ)とオーナーが名付けました。
1つ目は「マグカップ」のマグから、2つ目は「つむぐ」とも読めるところから来ています。2はツー、MUGはそのままムグですね。
マグカップのマグには、「顔」という意味もあるんです。「cafe2MUG」と「このいと紡」で、姉妹店のようにこの地域を盛り上げていけたらという気持ちです。
──カフェのメインメニュー「オムレット」について、何か思い入れがあるのですか。
早川──
オーナーさんから「カフェをやってみないか」と声をかけてもらったとき、何か他にはないもの、他のお店がやっていないものをメインにしたいと考えました。
それと、岡山県には美味しいフルーツがたくさんあるし、フルーツも使いたかったんです。
せっかく美観地区でカフェを出すのなら、お客さんに岡山のものを食べて、岡山の食材の魅力を知っていただきたいと思ってメニューを作りました。
──オムレットの魅力は、どんなところにあると思いますか。
早川──
卵をたっぷりと使っているので、ふわふわとした軽い口当たりだと思います。果物でもナッツでもなんでもトッピングできるし、メニューの幅がとても広いんです。
2MUGのオムレットは、100%米粉を使ったグルテンフリーのオムレットです。カスタードも米粉を使い、お腹に重たくならないよう、甘さも控えめにしています。
──2MUGのオムレットなら、気軽にテイクアウトもできて良いですね。
早川──
そうですね。もともとテイクアウト込みでオープンする予定だったので、そのつもりでメニューも考えていました。
オープン早々に新型コロナウイルスでどうなるかと思いましたが、2020年5月中はテイクアウトのみで販売できたこともあり、準備をしておいて良かったです。
──2020年3月20日にオープン、すぐにコロナウイルスで緊急事態宣言と、大変だったのではないですか。
早川──
4月から1ヶ月お店をお休みさせてもらって、5月からはテイクアウトのみ、6月から店内飲食もできるようにしました。
お休み中はかき氷のシロップを作ったり、通販サイトで焼菓子販売の準備をしたり、なんだかんだのんきにしていましたね(笑)。
じっくりとメニュー開発の時間が持てた、と前向きにとらえています。
──今後のお店のこと、「こんなふうにしていけたら良いな」と考えていることはありますか。
早川──
そうですね、まずは中庭を活用できたら良いなぁと思っています。小さなお子さんが遊べるスペースになったらいいなって。
ここは静かだし、道路もないし、大人がのんびりお茶を飲んで、子供たちが安全に遊べるようなスペースが理想ですね。
あと、近隣の店舗とコラボレーションも企画しています。フラワーアレンジメント講習と2MUGのランチなど、いろいろ計画中です。
カフェで使っている果物や卵の直売もやってみたいし…、せっかく美観地区でカフェを開いたので、この地域を盛り上げていきたいですね。
みんなが安らぐ憩いのスポットに
静かなカフェで、美味しいオムレットとコーヒーをいただく至福の時間。
これからは、美観地区でそんな時間が過ごせるのだなぁ、と思うと嬉しくなりますね。
ふわふわのオムレットは、2つ、いや3つでも(!)ぺろりと食べてしまいそうな美味しさです。
大人も子供も、みんなに優しい、美観地区の憩いの場「cafe 2MUG」。
大事な人を招待したくなる、そして岡山県をもっと好きになる、とっておきのカフェになりそうです。