早期昇格が期待されるエンゼルス・バックマン 2021年ドラ1右腕

日本時間3月7日、エンゼルスのマイナーキャンプ初日に注目を集めたのがサム・バックマンだった。昨年のドラフト1巡目(全体9位)で指名され、最速102マイル(約164キロ)の速球を投げるバックマンは「MLBパイプライン」の球団別プロスペクト・ランキングで2位にランクインし、メジャー未経験の投手としては球団内で最高のタレントと目されている。もちろん、エンゼルスのマイナーキャンプでも頭一つ抜けた存在であり、今季中のメジャーデビューを予想する声もあるほどだ。

現在22歳のバックマンは、昨季マイナーA+級トライシティで5試合に先発して14回1/3を投げ、0勝2敗、防御率3.77、15奪三振を記録。球団の方針により4イニングを超える登板は1度もなかったが、シーズン終了後、2~3週間のシャットダウン期間を挟んで9月下旬には早くも投球練習を再開し、体重管理のプログラムにも取り組んできたという。「腕が動くようにしておきたかっただけだよ。負担がかかるようなことは何もしていない」とバックマンは語る。

バックマンの課題とされているのが速球とスライダーに次ぐ第3の球種を身につけることだ。これがない限り、先発投手として大成するのは難しいのではないかと指摘する声もある。バックマンは自身の課題を把握してチェンジアップの向上に取り組んでおり、「大学時代とは比べ物にならないよ」と手応えを感じている。「大学時代は不安定な球種だった。ときどき投げていたけれど、あまり必要性を感じなかったんだ。でも、プロは打者のレベルが違う。(チェンジアップは)本当に良くなっていると思うよ」と話している。

投手力に不安を抱えるチーム状況もあり、早期のメジャー昇格が期待されるバックマンだが、自分に余計なプレッシャーを与えないように努めているという。「周りを気にせず、目立ちすぎることなく、一生懸命に努力する。そうして努力を続けていれば、遅かれ早かれチャンスは巡ってくると思うんだ」とバックマン。周囲の期待に押し潰されることなく、地道に努力を続け、メジャーの舞台を目指していく。

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