5~11歳のワクチン接種開始 和歌山県のくしもと町立病院

 和歌山県串本町と古座川町は6日から、小児(5~11歳)を対象とした、新型コロナウイルスのワクチン接種を串本町サンゴ台のくしもと町立病院で合同で始めた。串本町では対象者の約3割、古座川町では約2割が申し込み、初日は計89人が接種。串本町によると、小児の集団接種としては県内で最も早いという。

 串本町は対象者601人のうち164人、古座川町は88人のうち16人が申し込んだ。ワクチンはファイザー製で3週間の間隔で2回接種する。くしもと町立病院に小児科があることから、古座川町の要請で同病院で行うことになったという。

 年齢の高い方から進め、初日は串本町79人、古座川町10人がワクチンを接種した。古座川町内の小学3年生(9)は「コロナにかかるのはいやなので、ちょっと安心」。母親(38)は「これだけ流行しており、かかったときにも重症化を防ぐということで打っておいて間違いないのかなと思う。副反応の心配はもちろんあるが、それよりも打つメリットを優先した」と話した。

 2回目の接種と今回接種しなかった子どもへの1回目の接種は27日の予定という。

 この日は小児科の医師が問診をし、重い副反応が起きた場合にもすぐに対応できるよう、夜間も自宅待機の体制を取った。

 小児科医でもある竹村司病院事業管理者は「現在のワクチンはオミクロン株については発症予防効果は低いとしても、重症化を抑制する効果はあると考えられている。特に心臓や肺などに先天的なリスクのある子どもについては積極的に接種した方がよいと思う。また、今後さらに感染性の高い変異株が出てこないとも限らず、感染者が増えてくれば一定数の重症者も出てくることも懸念されるので、元気な子どもであっても打てる状況であれば接種する意義はあるのではないかと思われる」と話している。

■3回目の集団接種が終了 古座川町

 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種で、古座川町では5日、町民を対象とした集団接種が終了した。

 3回目接種は2回接種を終えた人のうち18歳以上の人を対象に進めており、同町では2月1日から高齢者を対象に集団接種をスタート。3月1日からは64歳以下の町民を対象に進め、5日までに計1544人が接種を終えた。今後は個別接種の機会を設けて対応するという。

 町健康福祉課の巽寿久課長は「皆さんのご協力で無事に終えることができてよかった。3回目を受けていない人もそこそこいらっしゃるので、今後、接種を検討していただければありがたい」と話していた。

 串本町は1月29日から高齢者を対象とした集団接種をスタートし、5日にいったん終了した。12日から、基礎疾患のある人から先に64歳以下の町民を対象に接種を始める予定。4月中には終了する見込みという。

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