67歳の世界的俳優 出演前は不朽の名作『マクベス』を知らず だが「災い転じて福とはこのこと」

米俳優のデンゼル・ワシントン(67)は、ジョエル・コーエン監督の新作『マクベス』に出演する前は、シェークスピアの同戯曲についてよく知らなかったという。 同作でタイトルロールを演じたことでアカデミー主演男優賞にノミネートされているデンゼル、同シェイクスピア劇に関する知識の欠如が 「災い転じて福」となったという。

デンゼルはBBCに、こう話している。 「 『マクベス』を読んだことも、観たこともなかったんだ。災い転じて福となすとはこのことだね 」 「『マクベス』の映画を1本選んで、2分ほど見て止めた。観たものに影響されたくなかったからね」

同作で、フランシス・マクドーマンドの相手役として主演を務めたデンゼルは、主要な役に熟年の俳優達を起用するのはコーエンの 「妙案」 だったと考えているそうで、「僕達にとって、これが最後のチャンスだね」「 (この戯曲が最初に出版された)1600年代には、平均寿命は40歳か50歳だったかもしれない。つまり、今の60歳は昔の40歳のようなものだ」と続ける。

またキャストとスタッフは、同作のためにシェイクスピア時代の英語をマスターするのに苦労したそうだ。「シェイクスピアにアドリブはない。『キングコングにだって勝てる!』と叫ぶことはできないんだ。 (映画『トレーニング デイ』で)僕はそれをアドリブで入れたんだけど」「ウィリアム・シェイクスピアに向き合わないといけない。彼のレベルまで登り詰めなければならなくて、ジョエル、フランシス、僕らは皆そうしたんだ」「彼がスタンダードだから、謙虚さや決意と共に努力しながらアプローチすれば、充実したものになると思う」

舞台で俳優としてのキャリアをスタートさせたデンゼルは、新進の俳優たちに自身の跡を継ぐよう促し「映画ではなく、舞台で演技を学ぶんだ。今、若い役者たちに言ってるのは、舞台に立つということだ。映画は監督の場、劇場は役者の場なのさ。いったん幕が上がれば、それは役者のものなんだよ」と語っている。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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