石田彰が"レジェンド声優"と言われる理由。唯一無二の声と演技力で圧倒する

『エヴァンゲリオン』渚カヲルや『鬼滅の刃』猗窩座など内に謎を秘めたキャラクターの演技で大人気の声優・石田彰さん。実はミステリアスなだけではない意外な役柄も演じています。石田彰さんの魅力とは?

『新世紀エヴァンゲリオン』渚カヲル、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』猗窩座など、多くの有名キャラクターを演じている声優の石田彰さん。

甘く優しく響く声はもちろん、内に謎を秘めたキャラクターの演技でも人気があります。ときには「石田彰さんが演じるなら、きっとこの役には裏がある」と思ってしまうアニメファンもいるほどです。

いまや“レジェンド”と言われるほど、カリスマ的な人気を誇る石田彰さん。そこで石田彰さんの経歴やこれまで演じてきたキャラクターから、魅力を深掘り。ミステリアスなだけではない意外な役柄についてもご紹介します。

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謎を内に秘めたキャラクターで魅了

1990年に声優デビューした石田彰さん。1995年に『美少女戦士セーラームーンSuperS』でフィッシュ・アイを演じ、少女を思わせるハイトーンボイスで注目を集めます。第10話「あやかしの森! 美しき妖精の誘い」など女の子に化けるエピソードもあるキャラクターでしたが、まったく違和感のない声でファンを魅了していました。2002年放送された『機動戦士ガンダムSEED』でアスラン・ザラを演じ、2004年にも続編となる『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に同役で出演。

このアスラン役が大きな話題となり、2007年から開催された『声優アワード』第1回でサブキャラクター賞男優部門を受賞したのです。

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石田彰さんといえば、アスラン役以前にも評判となった役があります。それは1996年から放送された伝説的アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で演じた渚カヲルです。

主人公・碇シンジ(CV:緒方恵美)のよき理解者として友情を育みますが、その正体は視聴者の想像を絶するものでした。世界の真実を知っているような素振りも多く、含みのあるセリフと優しい声色で、そのミステリアスさを引き立てていました。このように謎を内に秘めたミステリアスなキャラクターを演じされたら右に出る者はいない、石田さんの演技力。

そのため、石田彰さんがキャスティングされたキャラクターは重要なキャラクターに違いない……と期待する人も多いようです。

『「はたらく細胞!!」最強の敵、再び。体の中は“腸”大騒ぎ!』本予告

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その要素が十分に発揮されたのが、アニメ『はたらく細胞』でのこと。

同作品では当初、体内に数多く存在する一般細胞のひとりとして出演。「まさか石田さんがモブ役とは」と豪華なキャスティングでファンを驚かせましたが、実はこれも伏線のひとつ。第1期終盤ではがん細胞に変わってしまい、ラスボスのような立場で体内を脅かしました。

一般細胞は、周りと馴染むよう存在感を潜めた薄い声色で演じていた石田さん。しかし第1期第7話「がん細胞」で正体がばれると自信に満ちあふれた声に変わり、周囲が凍てつくような冷酷さを見せました。

唯一無二の声質と圧巻の演技力

聴けばすぐにわかる、唯一無二の声質も石田さんの武器でしょう。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』猗窩座役は映画公開までキャストが伏せられていたものの、第一声が響いただけで「石田彰さんだ!」と気づいたファンが続出したほどです。

好戦的で、強敵との戦いを心の底から楽しむ猗窩座。戦いの最中でも「鬼にならないか」と相手を勧誘する、考えの読めないミステリアスなキャラクターです。

石田さんは余裕を感じさせる高めの声色で演じ、猗窩座の強さを見せつけました。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公開中PV

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声優として高い演技力を誇る石田彰さん。圧巻の表現力は、美少年やイケメンキャラクター以外でも発揮されています。たとえば『昭和元禄落語心中』の有楽亭八雲役。「昭和最後の大名人」と呼ばれるほどの大御所落語家です。

石田さんは八雲の青年時代から晩年までを担当。艶のある青年の声色から、厳しくも不器用な愛に満ちた老人の声色まで見事な演じ分けを見せました。

作中でも「死神」、「反魂香」などの古典落語を披露。同じ演目でもキャラクターの年齢や心情によって雰囲気が違っており、噺家としての人生を感じさせます。石田さんの貴重な下町言葉も必聴です。

TVアニメ「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」有楽亭八雲(CV:石田 彰)による「反魂香」冒頭映像

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吹き替えでも活躍。視聴者を虜にした役とは

石田さんの活躍はアニメだけに留まらず、吹き替えでも存在感を発揮。

記憶に新しい作品が、2021年5月に金曜ロードショーで放送された『タイタニック』です。石田さんは主人公・ジャック(レオナルド・ディカプリオ演)の吹き替えを担当しました。実は2003年の金曜ロードショー放送に合わせて制作された石田彰さん版の吹き替え映像。DVDなどは発売されておらず、ファンからも「もう一度放送してほしい」と要望が多数寄せられていたほど待望の吹き替え版なのです。

アニメではあまり聞く機会がなかった、石田さんの柔らかく優しい言葉にとろけてしまった人が続出。

「石田彰版で聴きたい!」と多くのファンをとりこにしてきた、絹のように艶やかで優しい声をじっくり聴かせてくれました。

サウンドストーリーシリーズ『あらしのよるに』

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ほかにもOVA『こげぱん』では、こげクリームぱん役を、ドラマCD『あらしのよるに』ではヤギのメイ役を担当するなど、かわいらしいマスコットキャラクターや動物も演じてきた石田さん。『クラシカロイド』パッド君のように、コミカルな演技を披露することもあります。謎を内に秘めるキャラクターの代表的な声優として知られる石田彰さん。その声は年齢も外見も、そして媒体の枠も超えてキャラクターの魅力を引き立たせています。

「石田彰さんの声で聴きたい!」と思わせる作品は、今後もますます増えていきそうです。

(執筆:ハシビロコ)

石田彰さんプロフィール

石田彰(いしだ・あきら)

所属事務所:ピアレスガーベラ

出身地:愛知県

誕生日:11月2日

血液型:O型

愛称:あーさん、あー様

代表作:『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズ(渚カヲル)、『銀魂』シリーズ(桂小太郎)、『NARUTO -ナルト-』シリーズ(我愛羅)劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』(猗窩座)など

Character Promotion Reel 渚カヲル 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』絶賛上映中

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