<レスリング>UWWが女性参画促進の戦略を発表…8.5~6コモンウエルス大会(英国)は70%が女性審判員で実施

 

 世界レスリング連盟(UWW)は「国際婦人デー」の3月8日、2024年パリ・オリンピックでの男女平等を達成するために戦略計画を発表。8月5~6日に英国・バーミンガムで行われるコモンウエルス大会では、21人の審判員のうち15人(70%)が女性審判員という構成にするほか、女性役員が男性役員より多くなることに合意した。女性審判員の方が多くなる大会は、UWW史上初という。

8月のコモンウエルス大会は女性審判員が主流となる=UWWサイトより

 UWW審判委員会では、今後の2年間で女性審判員育成のための審判クリニックを何度か開催し、女性審判員を増やすことに尽力する。現在、世界にはオリンピックを裁ける1S級に10人の女性審判員がおり、91人の女性国際審判員がいるという。

 UWWのネナド・ラロビッチ会長は、女性審判員が主流となるコモンウエルス大会が「楽しみです」とコメントし、「私たちは正しい方向にレスリングを進めます。多様性、男女平等の達成、機会均等、スポーツのあらゆる分野での教育へのアクセスなどを推進することに取り組んでいます」と、UWWの方向性を訴えた。

 UWWは男女平等を目指すIOCの指針に従い、ここ数年間、女性の参画促進のための多くの企画を実行してきた。女性リーダーを育成するための「The Women Lead Sport Program」の開催や、女子レスリングが実施されていないサウジアラビアでのコーチ・クリニックの開催女子選手育成支援の実施で、昨年の世界選手権では、支援を受けた選手の中からエジプトの選手が銅メダルを獲得し、エクアドルとブラジルの選手が5位入賞を果たすなど、世界の女子レスリングの普及と技術向上に貢献した。

 アスリート委員会は、委員長を除く6人の委員のうち半数が女性となり、女性が半数を占めた最初の委員会となっている。

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