DeNA三浦監督が重視した“走者を出してから” 合格投球見せた左腕2人への信頼

DeNA・石田健大(左)と浜口遥大【写真:小谷真弥】

2017年から2年連続で開幕投手を担った石田「6人の枠に入らないといけない」

■DeNA 2ー1 西武(オープン戦・9日・横浜)

好調なオープン戦で先発投手陣の充実ぶりが顕著なDeNAにあって、いぶし銀の味わいを醸し出している2人の中堅左腕がいる。9日に本拠地・横浜スタジアムで行われた西武戦では、8年目・29歳の石田健大投手が先発し、5回を4安打3四死球ながら1失点と粘投。6年目で今月16日に27歳となる浜口遥大投手も、2番手で登板して4安打1四球を許しながら2回を無失点でしのいだ。揃って開幕ローテ入へ着実に歩を進めている。

この日、石田は毎回走者を許したが、失点は初回の外崎のソロによる「1」のみ。自身は「四球が多かったですし、僕がいいテンポで投げることができていれば、もっとベイスターズ側に点が入っていたと思う」と反省したが、三浦大輔監督は「走者を出した後に粘り強く投げていたので、問題はない」と評価した。

2017年から2年連続で開幕投手を務めたが、持ち前の万能ぶりから、これまではチーム事情に合わせて先発とリリーフの両方をこなすことが多かった。しかし、登板した33試合で先発は1試合だけだった昨季、防御率がプロ入り後ワーストの5.73。今季は先発1本に絞って出直しを期している。

「開幕ローテ6人の枠に入らなければならない立場。結果を出すことが一番だと思って、マウンドに上がっています」と並々ならぬ決意をにじませる。“便利屋稼業”で持ち味を発揮してきた男が、今年はのるかそるかの勝負に出ている。

浜口は“荒れ球も持ち味”…三浦監督「ストライクゾーンの中でどんどん勝負していた」

一方、昨季自ら志願して初の開幕投手を務めた浜口。今月3日の広島とのオープン戦に先発した際は、4回を投げ4四球を与えながら、1安打無失点と揺るがず。“荒れ球も持ち味”のタイプだ。この日は、2イニングで四球こそ1つだったが、4安打を浴びた。

7回には先頭の鈴木に中前打を許したが、続く外崎の打席で一塁への牽制球で誘い出し、二塁上で鈴木をタッチアウト。なおも2死から森、山川に連打されるも、呉を一邪飛に仕留める粘り腰を見せた。三浦監督は「きょうの浜口は、ストライクゾーンの中でどんどん勝負していた。走者が出ても、浜口らしくしつこく牽制して、アウトにしたプレーも大きかった」と称賛。「いつも走者を出さないに越したことはないが、そんなピッチャーはいない。走者を出した時に崩れなかったのが大きかった」と評した。今季もまたいい意味で“浜ちゃん劇場”を見せてくれるのかもしれない。

DeNAは9日現在、オープン戦6勝1敗1分け。12球団トップを走り、昨季セ・リーグ最下位のチームからすっかり見違えた。三浦監督が開幕ローテの人選について「本当に悩んでいます。いい悩みです」と明かす。厳しい争いの中でも、あの手この手で打者を打ち取る石田と浜口の“奮投”は味わい深く、ハマの番長の信頼も厚い。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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