ウラルカリ社、スポンサー契約打ち切りのハースF1に対し、訴訟の構え。損害賠償および返金請求の意向を発表

 2021年からハースF1チームのタイトルパートナーを務めたロシアのウラルカリ社が、ハースからの契約打ち切りに不満を示し、スポンサーシップマネーの返金を要求している。

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、ハースはロシア企業である世界最大級のカリ肥料の製造および輸出業者ウラルカリとのタイトルパートナーシップおよび、同社の共同オーナーの息子ニキータ・マゼピンとのレースドライバー契約を5日に解除した。

ニキータ・マゼピン(ハース)

 ウラルカリ社は、9日に声明を発表、ハースF1チームから「現在の地理的・政治的状況を理由に、ウラルカリとのスポンサー契約を一方的に打ち切るとの報告を受けた」と述べている。

「ウラルカリ社は長年にわたり、世界の食糧安全保障に大きく貢献し、ロシア国内外の様々なスポーツ協会、組織、イベントに対して多大な支援を行ってきた。当社は、今回のチームの決定を不合理と考え、スポーツは政治や外的要因による圧力を受けるべきではないと考えている」

「以上のことから、ウラルカリは 適切な法的手続きに沿って自社の利益を保護する意向であり、訴訟手続きの開始、損害賠償の請求、ウラルカリが2022年F1シーズンのために支払った多額の金額の返済を求める権利を留保する」

「2022年シーズンのスポンサーシップ資金の大半はすでにハースに譲渡されており、2022年シーズン開幕戦前にチームがスポンサーシップ契約を解除したことから、ハースは今シーズンのウラルカリに対する義務を履行していないことになる。ウラルカリは、ハースが受領した金額の即時払い戻しを要求する」

「ハースからの返金および2022年シーズンのためのウラルカリのスポンサー資金の残額は、アスリート支援財団『We Compete As One』の設立に使用される」

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