コロナ禍を乗り越え、学びや成長の場としての寮を目指して 学生会館ドーミー 第7回RA(Resident Assistant)活動報告会

ドーミーの名称で全国300棟以上の学生会館(寮)を展開する株式会社共立メンテナンス。学生の日常を支える学生寮を、ただの住まいから、学びや成長の場としても活用することを目指し、7年前にRA制度を導入しました。RA制度とは、全ての寮生が社会に貢献できる人材として成長できるよう学生寮を「学びと成長の場」と捉え、RA(Resident Assistant:レジデント・アシスタント)と呼ばれる学生が寮内の交流促進や寮生のサポートを行う活動です。

お互いに学び合いながら、学生生活がさらに充実したものになるように、こうした各寮でのRAの取り組みについて、毎年対外的な活動発表の場を設けています。

第7回となる今回のRA活動報告会は、昨年に続き、コロナ禍でのオンライン発表となりましたが、参加寮は首都圏、西日本地区の全32寮、視聴申込者は1,000名を超える大規模な開催になりました。

今回のRA活動報告会は、三部構成で、第一部は、3つの代表寮によるプレゼンテーションが行われました。

KU I-House(関西大学)、狛江インターナショナルハウス(明治大学)、武蔵野美術大学第二学生寮(武蔵野美術大学)が発表。それぞれに、単にイベントして交流を行った、ということでなく、コロナ禍で対面交流の難しい中、どのような工夫をしたかなど、アイデアに溢れたものが多くみられました。

KU I-Houseでは、「退寮後も思い出に残る寮」を目指して、感染対策を徹底しながら新入生の歓迎会を行ったり、誕生日プレゼントを送ったりしました。SNSも積極的に活用しインスタライブで寄席を開催、寮オリジナルのトートバックも制作するなど、コロナ禍で交流が減り、不安を持つ寮生をサポートし寮の活性化を図りました。

狛江インターナショナルハウスでは、コロナ禍で打撃を受けた飲食店を応援し、地域とつながることで寮生が安心して暮らせる企画を考え、狛江市にある飲食店や雑貨屋を紹介した“狛江ブック”を作成。また、クレープのキッチンカーを寮に招き寮生限定での販売も実施しました。これによって、クレープ店のオーナーと限定オリジナルクレープの商品開発にも発展、寮生同士の新たな交流の場も生まれました。その他にも、寮の食事提供がない日にイベントという形で飲食店へ足を運んでもらえるような寮生限定サービスをお店とともに企画し、寮生には食事を、集客に悩むお店には送客というwin-winの関係を作りました。

武蔵野美術大学第二学生寮では、RAだけでなく寮生を巻き込みながら、ハロウィンイベントを開催。様々な出身地の人が集まる寮だからこそ、配るお菓子を日本全国のご当地お菓子にすることで交流のきっかけを作りました。また地域との交流として、水中の生き物たちを段ボールで作る体験型のワークショップを開催。さらに、このようなイベントの過程を通して、新しいアイデアを寮生自身がアウトプットしたり、交流するための空間の必要性を感じ、美術大学らしく、現在のロビーをデザインスペースとしてリニューアルし、学生の交流を活性化する提案が発表されました。

関西大学国際部教授の池田佳子氏からは、みなさん共通していい意味であきらめないその活動にとても元気をもらった発表だったとの講評をいただきました。

第二部は、各寮が4つのルームに分かれて約3分のショートプレゼンを行いました。ルームごとにテーマが設定されており、ルーム1は、外部とのつながり・SDGs・国際交流・フリーテーマ、ルーム2は、発信の工夫~SNS活用など~、ルーム3、4はコロナ対策と、視聴者は、好きなルームの発表を視聴することができました。

ルーム1では、ペットボトルキャップの回収や、途上国へのワールドギフトなどのSDGs関連の取り組みや、就活相談のイベント開催、「飾りつけ」の作業を通して留学生と交流する交流の新たな方法もなども見られ、また、失敗を次に活かしながら成長していくプレゼンテーションもあり印象的でした。

ルーム2では、LINEやInstagramを活用して寮周辺の情報提供やイベント告知、さらにはイベント内でもオンラインゲームやビンゴ大会を活用するなど、SNS、オンライン環境を上手に使っている様子が伺えました。また、SNSだけでなく声をかけたり、ホワイトボードを使ったりとアナログなアプローチも加えながら、交流の活性化を図った発表や、これから大学に入学する高校生に向けた情報発信などで認知度アップを図った寮もありました。

ルーム3,4では、コロナ禍によって、大学生活不安をかかえながら新たに入寮する1年生に対して、オンラインイベントで寮について説明会を行ったり、新入生歓迎ウォークラリーでマスクを配布するなど、学生自身も感染対策についていろいろと考えながら寮生の交流が図れるよう取り組んでいることがよくわかりました。対面イベントが難しい中、散策や映画鑑賞といった新たなイベントを実施したり、留学生には寄り添う体制を整えたりと細やかな気配りも感じられました。

第三部は、RA制度設立当初から7年にわたり、RAとして活躍してきた中屋雅文さんをゲストにお迎えしてトークセッションが行われました。

参加者0人のイベントを経験したことで、寮生目線を常に意識してRAをやってきた。これまでの経験から、現役の学生のみなさんもトライ&エラーを繰り返しながらやっていって欲しい、自分自身が留学したときも、そうしたRAでの経験が活かされたと振り返りました。いずれは寮生みんながRAの意識で、それぞれがみんなのことを考えて動けるようになれば寮生活がもっと充実するではと話してくれました。

最後に、7年間のRA生活を振り返って、一番伝えたいのは感謝で、寮長さん、寮母さん、RA推進チーム、他寮のRA、みなさんのおかけでいろいろな活動できたと思いますと締めくくりました。

発表を通して、学生が試行錯誤しながらも成長していく姿を垣間見ることができ、また新たな取り組みへのチャレンジに希望をもらい、コロナ禍という難しい時期にコミュニケーションの大切さを実感するRA活動報告会でした。

【参加寮】

1.KU I-House(関西大学)

2.狛江インターナショナルハウス(明治大学)

3.武蔵野美術大学第二学生寮(武蔵野美術大学)

4.RUID朝霞台(立教大学)

5.ドーミー東広島(広島大学/近畿大学)

6.中央大学インターナショナルレジデンス聖蹟桜ヶ丘(中央大学)

7.メゾンドクレア(梅花女子大学)

8.明治学院大学国際学生寮MISH(明治学院大学)

9.RUID志木(立教大学)

10.ドーミー厚木(東京工芸大学)

11.ドーミー吉祥寺(成蹊大学)

12.ドーミー駒沢(青山学院大学/北里大学/駒澤大学)

13.武蔵野美術大学学生寮(武蔵野美術大学)

14.ドーミー海浜幕張(神田外語大学)

15.ドーミー百万遍(京都大学)

16.法政大学駒込寮(法政大学)

17.法政大学東小金井寮(法政大学)

18.東京理科大学野田国際コミュニティハウス(東京理科大学)

19.法政大学船堀寮(法政大学)

20.法政大学西八王子寮(法政大学)

21.ドーミー井の頭公園(成蹊大学)

22.ドーミー湘南藤沢2(慶應義塾大学)

23.フィロソフィア西台(東洋大学)

24.学寮まほろば(國學院大學)

25.東京都市大学国際学生寮(東京都市大学)

26.RUTIL井の頭公園Ⅱ(東京大学)

27.RUTIL井の頭公園(東京大学)

28.帝京大学国際学生寮宇都宮(帝京大学)

29.ラポール百合ヶ丘(駒沢女子大学)

30.新百合ヶ丘コミュニティレジデンス(玉川大学/桜美林大学)

31.上智大学東中野寮(上智大学)

32.明治大学グローバル・ヴィレッジ(明治大学)

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