長崎IR 2023年着工、27年秋開業 長崎県など 県議会に計画案

 長崎県と佐世保市がハウステンボス(HTB)への誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)について、県とIR設置運営事業予定者は10日、県議会に対するIR区域整備計画案の説明会を開催。計画が国に認定されれば、2023年度後半に建設工事を始め、27年秋ごろに開業するスケジュールなどを明らかにした。
 開業に向け、総額約4383億円の資金を調達する計画も説明。このうち、金融機関からの借入金などで約2630億円、企業などの出資金で約1753億円を集める。総事業費は施設整備などで3500億円と想定していたが、4400億円規模に見直す。
 IRの収支計画や経済効果なども改めて算出。年間売り上げは開業5年目で約2715億円に上り、うちカジノ部門が約8割の約2095億円を占める。年間来訪者数は延べ840万人としていたが、実人数ベースに変更。31年度に約673万人(日本人約521万人、外国人約151万人)とした。
 IR事業者が県に毎年支払う納付金と入場料納入金は、従来の試算より約82億円多い計約391億円となる。このほか、ホテル事業に英国インターコンチネンタルホテルズグループが参加すると明らかにした。
 IRを手掛ける設置運営事業予定者はオーストリア国有企業傘下の「カジノオーストリアインターナショナルジャパン」(CAIJ)のグループ。資金調達や協力企業の確保はCAIJを中心に進めているが、金融機関やゼネコンなどの企業名は現時点で明らかにできないとし、「4月中旬までに示す」とした。
 県と事業予定者は今月下旬に開く公聴会の意見を踏まえて区域整備計画をまとめ、4月28日までに国へ申請する。IR誘致は大阪府・市と和歌山県も表明しており、国は最大3カ所を認定する。


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