フリーランスで活躍する山下りな、雪妃真矢、高瀬みゆき、夏すみれが2月25日に記者会見でフリーランスサミット『NOMADS’』(ノマズ)を5月20日新宿FACEで開催することを発表した。
開催発表のニュースはすぐに話題となり、海外のファンからも反応があるなど注目されている。そして、3月4日に行ったチケット即売会では長蛇の列ができ、チケットが残り少ないという情報も公式Twitterにて日々更新されている。
『NOMADS’』はフリーランスの、フリーランスによる、フリーランスの為の大会となっているが、4選手に今大会へ向けて会見後にどんな大会を目指しているのか話を聞いた。
①フリーランスサミット『NOMADS’』開催発表
――会見を終えた感想など、お一人ずつ伺えればと思います。今大会の発起人である夏さん(今大会にはProposer=提案者として参加)、今回この4人をまとめ上げたという感じですが、記者会見を終えてみてどうですか。
夏:「やっと言えた」と思いました。「早く言いたい!」と思っていたので。やっと言えました。私は2年前に(自主)興行を一度やっていて、意外と発表からが一番大変だと身をもって体感しているので。ここから一人1回は「やるなんて言わなきゃよかった」という波が多分来るなと思ってます(笑)でも、やっぱりそれを乗り越えたら、だんだんランナーズハイになってきて、最後、当日は終わったらもうパーッとなるのを、もう一回感じたかったので、今回はそれを4人で感じられるというのが、すごく楽しみに思っています。
――夏さん自身は、自主興行だとか、みんなでこうやって協力して自らが裏方に回ったりするというのは好きなんですか。
夏:そうですね。自主興行自体はもう2019年なので2年以上前にはなるんですが、最初は「こんなの無理だ」と思っていたんですが、いざ終わったときにすごく燃え尽き症候群というか、それ以降が「あ、終わっちゃったんだ…」というような、ずっと心に穴が空いたような状態でいたので、それを思ったときに、多分自分は、何かを企画したり裏方として動いたり、そういうことが好きなんだろうなということに気がつくことができたんですね。なので、今回の大会は、わりとスッと「裏方としてやろう」というのを決めました。
――皆さんからも「早く復帰してほしい」というように思っている部分もあると思いますけれども。
夏:復帰は…やっぱり、2年近く空いてしまっているので。お客様からお金をいただいて試合をする以上は、ある程度はちゃんと整えていかないとな、という思いがあります。
――また復帰されるのも楽しみにしていますので。
夏:ぜひ、その際にはまたよろしくお願いします。
――雪妃選手、いよいよ発表になりましたが『フリーランスのフリーランスによるフリーランスの為の大会』と説明されていましたけれども、お気持ち的にはどうですか。
雪妃:早く大会をやりたいなって思います。ひとまず発表できてスッキリしました。我慢していたのが、やっと公に動き出せるというのが楽しみです。「何かやろうよ」というようなことはずっと言っていたのに実現できずにいたのが、やっと形になるというのがすごく楽しみだし、実は自分はフリーランスになる前からずっと夏さんや山下さんに相談をさせてもらっていて。それが実際に自分がフリーランスになって、こうやって「一緒に興行やろう」となったのがすごくありがたいですし、楽しみだなと思います。
――フリーになってわりと早いタイミングで皆さんが集まって大会を開くことができるというのは夢がありますね。
雪妃:この話は年末ぐらいに出たんでしたっけ?(回りを見て)具体的には。
夏:そう、年末に純喫茶で話したんです。
――純喫茶とは渋いところですね(笑)
夏:そうなんです、雪ちゃんとは純喫茶で話したんですよね。一人一人個別に声をかけていって。
――高瀬選手もアクトレスガールズから、現在はフリーとして活躍されていますけれども、実際に発表されてみていかがですか。
高瀬:本当にみんなと同じで「やっと言えた」と。Twitterのアカウントとかも前々から用意がされていたわけですよ。「ああ、まだ触れてはいけない」「まだ誰にも言えない」「いつ公開できるんだ!」「ここにいるんだぞ!」みたいな(笑)
――本当に言いたかったんですね。
高瀬:言いたかったですよ。「待っててよ!みんな!」みたいな。ポスター撮影したり、ポスターができあがっていくなかで、「早く出したい、世に!」みたいな。
雪妃:「撮影しました」という「匂わせ」だけは、みんなが(笑)
――「匂わせ」は、やっていたんですね(笑)
高瀬:はい。アップしたい写真は沢山あるけど、まだピンのやつしかアップできない・・・とかって。それがこれから公開できるので楽しみです。
――いいですね。
雪妃:オフショットとかが公式Instagramとかにも上がってくるので。
――皆さんのいろんなショットが見られるという感じなんですね。
全員:はい。
――山下選手、今日こういう日を迎えましたが心境はいかがですか。
山下:ホッとしています。第一波、なんかホッとしています。私がたぶん一番メンタルが弱いので。
――そうなんですか!?
山下:「一緒にやる」っていうときは、大丈夫かなっていうのを多分終わるまで日々感じていくのが私じゃないかなって。でも多分そういうのも見越してちゃんと声をかけてくれた上で管理していただいているので(笑)
――昨日(2月24日)の『速報!バトル☆メン』では、これには触れていなかったですよね。
山下:触れる前に話題が変わってしまったので…
――なるほど。
山下:夏が猫を飼っているという(笑)
夏:一番いらんね、それは(笑)
――その話題だけちょっと出しましたよね。
山下:そうなんです。「あっ」と思って、「ゴメン」と思いながら次の映像に…
――本当は言うつもりだったんですか?
山下:言うつもりだったんです。
夏:どうつなげるつもりだったの(笑)
山下:夏が最近、猫を飼いだして…そんな夏すみれといろいろ発表ごとがあるので、というようなことを言おうとしたら、もう「猫飼ってるんです~パッみたいな感じで画面が変わってしまって…(笑)」
――ちなみに今日は何杯か(お酒)飲んでこられているんですか。
山下:飲んでいないです。
――そうですか。
山下:歯医者に止められました。
雪妃:今日、歯医者だったんですか?
山下:今日、歯医者行ってきて。
夏:あ、駄目だ、じゃあ。
山下:一応、会見前、「歯医者の直後は飲むのやめてね」って言われたので、この後は飲めます(笑)あれ?何て言おうとしたんだっけな?そう、フリーランスになって思ったのが、オファーだったりいろいろなことが受注なんですよね、要は。派遣だったりとか。だから、夏が自分で興行したあととか見ていて、本当にすごい人だなって私は思っているんですよ、夏さんを。だから、プロデュースとか裏で動いてくれているんですけど、実際に大会とかになってみんながすごく「こんなカード楽しいね」ってやっているのを見て、「ここで復帰したいな」って。「もっと本人が発信してほしいな」って私は思うし、もっといっぱい体動かしたいって、その原動力になりたいなとすごく思いました。興行をやるって言ってくれたのもすごくありがたいし、プレイヤーとしても裏方としても本当にプロレス界に必要な人物だと私は思っているので。もっと前向きにプロレス、プロレスってなってほしいなって思います。ここがまず第一歩かなと。もちろん家庭も大事ですし、これからも。と思っております。
――ちなみに今日はスーツで皆さんビシッとキメられていますけれど、誰がスーツでいこうって決めたんですか。
高瀬:いろいろみんなで、スーツか何かと言っていて。
山下:私服はないわなって(笑)
――私服はないわなと。
夏:ない、ない(笑)
――最終的には誰が何か言ったんですか?
夏:そこの感性は雪ちゃんが結構やっぱり、美的感覚とかは優れているので、撮影のときとかでも衣装のものとかは彼女が結構やってくれていますね。
――じゃあ、スーツで今日はみんなキメていこうっていうのは、そんな感じだったんですね。
雪妃:まあじゃあ、ちゃんとした格好だからスーツですかね、みたいな感じ。だけど色とかは浮きがないように、とかは、それぞれが。
――なるほどですね。
②「NOMADS’」はユニットではなく「イベント」
――「NOMADS’」というのはユニットでは無いんですよね?
夏:ユニットという形は今後も取るつもりはなくて、一応、「イベント名」ですね。
――「イベント名」ですか。
夏:はい。「お祭り」という感じで見ていただければ。われわれはお祭りの商工会なので(笑)
――商工会(笑)
夏:町内の商工会みたいな感じで出てくれる選手とお客さんが楽しんでいただく場を提供するのが「NOMADS’」という形で。
山下:あくまで、イベント名ですね。
――イベント名なんですね。
夏:はい、イベント名ですね。
――皆さん、アダルトな女性の雰囲気をすごく出されているので、大会自体もそういう大人が楽しめるような、そんな大会イメージが思い浮かびますが、そういうこともあるんでしょうか。
夏:演出はこだわりたいですね。もちろん我々はまだまだ弱小イベントなので、まだ全然、そんな派手にお金をかけるとかはできないんですけれど、でもお金をかけなくても例えば、ひとつ会場BGMをプロレス会場では聴かないようなものにちょっと変えるとか、それだけでも多分、全然雰囲気って変わりますし。
――さすがProposer!ここは力をまた発揮しますね。
夏:新宿FACEってやっぱりライブハウスで、雰囲気はものすごくいいので、弱小イベントではありつつも、そういうちょっとした工夫でおしゃれな雰囲気を出したいなと。
③男性だけじゃなく、女性も楽しめるようなイベントにしたい
――既存のファンは男性が多いと思いますけれども、女性の方でも楽しめるようなイベントになりそうですか。
全員:したいですね、全体的に。
山下:グッズだったりとかも、結構「こうしたい」という意見があって、やっぱり美的センスの(雪妃を見る)
――雪妃選手が?
高瀬:「美的センス、雪妃」ってね。
夏:美的真矢みたいな。
――それ、いいですね!
雪妃:どちらかというと、女性にウケるものになるんじゃないかなとは思います。
――そうなんですか。
雪妃:はい。いままでのプロレス大会っぽさみたいなものを求めてはいなくて、なので「映像はこんなふうにしたいね」とか「ポスタービジュアルはこういうのにしたいね」というようなことも、ショービジネスの世界から持って来ているものだったり映画から持って来ているものだったり、という感性のところは、やっぱり女性のほうがもしかしたら好む可能性があるかなというふうにも思うので。
夏:女として、自分たちが好きなものをただここでやりたいなって。
雪妃:こんなものを作りたいなと思っていたもの、そういうものを自分のアイデアとかを、今までインプットしてきたものを、吐き出す場にもなっているというか。なので、それがすごく楽しいです。
――それは女性が見て喜んでもらえるようなものになっているのであれば、今後の第2弾、第3弾の発表が楽しみですね。
夏:うちの真矢のアイデアの泉が湧き出て、湧き出て(笑)ビシャビシャ湧き出ちゃって、泉が。
――すごい!そんなにアイデアマンなんですね。
夏:アイデアの女神です。
――アイデアの女神!雪妃選手はそういういろんなアイデアを持っていて、いつかこういうのを実現したいと思っていたんですね。
雪妃:自分の声に出しても実現できてこなかったものもありますし、伝えてこなかったものもあるんですけど、いつか何か自分が作るとなったらこういうことやりたいみたいなので貯めていたものを今この場で「こういうの、どうですか」というふうにアイデアは出させていただいたりしていますね。
④イベント主催者として「おもてなしの心」
――呼ばれて出る試合と自分たちがやる大会というのは、心構えというか、ちょっと違ったりしますか。
高瀬:違いますね。
――プレッシャーの部分ですか?何が違うんでしょうか。
夏:単純に他の選手っていうのは我々にとってはゲストになるので、お客さまだけじゃなくて、出てくださる選手に対してもおもてなしの心をやっぱりキャリア関係なく、もってなきゃ駄目かなと思っていますね、運営となると。
――今回ここにいらっしゃらないゲストとして出てくれる他の選手、安納サオリ選手、優宇選手、朱崇花選手、SAKI選手にお声がけしたときにはどんな反応だったんですか。
夏:そこはうちの政治担当が(高瀬を見る)
――政治担当は高瀬選手が交渉担当なんですか?
夏:政治担当です。ネゴシエーターで。
――ネゴシエーターとしてどうですか。
高瀬:いろいろと心に傷を負っている人が多いので(笑)外界との政治をやらせていただいています。
――(笑)なるほど、どうでした?
高瀬:でも、みんな喜んでくれていました。第一声は「え?誘ってくれてありがとう」って言ってくれていましたし、「面白そうだな」って言ってくれている人が多かったです。
――みんな二つ返事で「行きますよ!」って、そんな感じですか。
高瀬:はい。渋られた人はいないですね。
――いい具合の人たちというか、本当にフリーランスのいい選手が集まって。
夏:脂の乗ったね。
――そう、すごくいいところ集めてきたなっていうのが、このポスターを見たときの第一印象はそこでしたね。
雪妃:いろんなタイプのフリーを集めようというようなことは話していて。似かよわないようにと。
⑤フリー選手に対してメッセージ
――団体に守られていないフリーとしてのセイフティーネットというか、新たな大会を開催するというところでは、フリー選手の今後の夢というか希望につながっていく第一歩になるのかなと思いました。フリー選手でも勇気を与えられるようなイベントとしてやっていかれると思いますが、いまのフリー選手に対して何かメッセージはありますか。
山下:メッセージですか?
――現在フリーランスの、ここにまだ参戦されない選手に対するメッセージです。
夏:いちばん難しいのきたな(笑)
――(笑)
山下:難しいお題が、いちばんヤバいところ(自分)にね(笑)
――現在フリー選手として一番試合数が多くて、男女問わず体を張った試合を行う山下選手だからこそ、「NOMADS’」を開催するにあたってフリー選手に対するメッセージをお願いします。
山下:何かやるときに、自分でやらなくちゃいけないというか、自分でやっていいんだというふうに、物事をいろんな角度から見てほしいなと思います。何かをやるときに、やらなくちゃいけないのか、ではなくて、やっていいんだと。え、何言ってるの、私?
高瀬:とてもいいと思います。
――こういう大会って勇気ある第一歩としてやられるところがあるんじゃないかと思ったんですよね。
山下:制限は特にないですし、フリーランス同士にしたら。お客さんにも選手の違う面をもし見せられたら見せてほしいし、自分も違う一面やスイッチを見つけるきっかけになってほしいですね。「こんなことやっていいんだ」という感じで。もっとリングは広いんですよっていう。
――名言!ちょっと、いまのめちゃくちゃいいと思います。(拍手)
全員:素敵!
山下:ありがとうございます。
――「もっとリングは広いんだ」
山下:私もうこれで終わりましたね(笑)本日終了で~す。
――いい言葉、出しましたね。
夏:いやあ、成功者だからこそ言えるよなあ、素敵。
山下:いやいやいや。
――本当にいい言葉ですね。海外でもデスマッチもやっている山下選手だから出る言葉かも知れないですね。
山下:そうですね。第1試合から後楽園のメインでやるような道具を出されたりとかもしたので、「こんなことやっていいんだ」という気づきが、海外は1回しか行っていないんですけど、その1回はすごく大きいです。それは「1回しか行っていない」と思うか「1回行ったことで大きく変わった」と思うかは、これからの私の活動次第だし考え方次第だと思うから、そういうことを少しずつ言葉を整えながら発信できたらなと思っています。
――お酒飲みながらね。
山下:お酒、そう(笑)
――いいセリフをありがとうございます。高瀬選手はどうですか?
高瀬:いや、でも私はまだフリーになって2、3ヶ月…
夏:一緒に切磋琢磨していく、これからの同志でありライバルであり、みたいなところじゃない?
高瀬:というのはあまり思ったことがないんですけど。
――(笑)ないんかい!っていう。
高瀬:だってフリー、自由じゃないですか。わざわざ周りと競いあう必要はないのかなと思っていて。でも、自由だからこそ目指すものがよくわからなくなったりとか、自分のことを必要としてくれるところに呼ばれるわけで、フリーの選手というのは。その求められているものをこなしていくうちに自分のことがわからなくなったり、フリーになってからのいい部分と、逆に悩みになった部分というものを抱えている人が多いのかなということを感じていて。フリーの仲のいい人たちの話を聞きながら感じていたので。そういう意味ではこういう大会、フリーランスが主役となれる、フリーランスによる興行という、一つものがあることで、その人たちも一つ目指すものであったり、「こういうことをしたかったんだよな」「自分はあれをやりたかったんだよな」って思い出すきっかけになってもらったらいいなと、いま私の立場からは思っていますね。この先自分がどういう思いになるのかはまだわからないですが。
――誰か悩んでいるフリー選手たちがいたら、前にインタビューで教えてもらったあれを言ってあげればいいんじゃないですか。
高瀬:「落ち込むのは5秒まで」。5秒以上落ち込んだら意味がないなと。
3人:すげー。
高瀬:決めれば意外とできるので。
――先日プロレスTODAYのインタビューで伺ったとき本当にびっくりして。超メンタル強いんだなと思いました。
高瀬:違う、違う、「メンタル強い」じゃなくて「決めている」
――決めているんですね。
高瀬:決めているだけ。
――でも中学時代はスーパーマンだと思っていたんですよね?
高瀬:そうそう、学生時代は自分のことスーパーマンって。何でもできると。私も生きていくなかで本当に人の笑顔が笑顔に見えなくなったり、笑うことができなくなったり、家から出られなくなったという時代もあったんですよ。そういう時期を経験して、結果思うのはやっぱり「うだうだ落ち込んでいても仕方ない」と思うようになったので。それが正解というわけではないですが、そういうふうに決めてみるのも一個の手だよと。
――そして雪妃選手も、いまフリーで活動されている同業者の方々に対するメッセージはいかがですか?
雪妃:メッセージ…自分もフリーランスでこれから学んでいく立場なので、何かメッセージというわけではないんですけれども、団体でやってきて「大会とはこうあるべき」とか、団体の中で「チャンピオンはこうあるべき」とか、「先輩はこうあるべき」とか。これはフリーランスになってもいろんな団体に参戦していくにつれて役割みたいなものを自分に課してしまう部分が絶対にあると思うんですけれども。この大会では役割はないので、個人として全員が戦うだけのことで、団体を背負うこともなければベルトを背負うこともなければ。なので、そういう個性をぶつけて、「1試合目だからこれはやっちゃいけない」とかはないし、「メインイベントだからこれをしなきゃいけない」もないし。「先輩だから」とか「後輩だから」とかじゃなくて、ただ個人、フリーランスとして活動している自分個人をお互いが発揮できる場になったら、それは何かここ独自のことなのかなというふうに思うので。自分を開放したいなという思いはありますね、せっかくなので。
――なるほど。悪いほうの(雪妃)魔矢じゃないほうの、また新たな第三の真矢が。フリーの真矢。
夏:ああ、それいいよね。
高瀬:リングで感性を爆発させていただいて。
――第三の真矢が出ちゃうんじゃ?
雪妃:このフリーランスになったら何でも挑戦者のつもりでやっていきたい、というのがあって。なので興行を企画する、こういうこともそうだし、海外に行きたいとかもそうだし、何か、黒の魔矢だからとか、真面目なほうの真矢だからとか、そういうのは全く関係なく、どんな顔でも出せるような、何でもかんでも開放して何でも挑戦してっていう姿勢で活動したいなというふうには思っている感じです。
――またそういう部分が、全然また違う「え?そんな人だったの?」って言われるような。
雪妃:そう。だから期待するのはやめてほしいんですよ。
――そうなんですか。
雪妃:きちんとしているいい子ちゃんで、しっかり者で、というようなことは期待しないでほしいんです。
――私にそういうイメージをかぶせないでと。
雪妃:かぶせないでほしいです。
――ここでは本当に自由気ままな本来の雪妃真矢が垣間見られるような感じなんですね。
雪妃:そうですね。
⑥夏すみれから一言
――最後に発起人として今回このメンバーの皆さんにお声がけされて、いろいろと裏方で活動されるという夏さんは他のフリーの選手に対してメッセージはありますか?
夏:フリーの選手へというよりは、プロレス界、人口も多いので、なかにはちょっと志半ばでプロレスを諦めてしまった子というのも、実際に私のまわりにも何人かいまして。そういう子に「戻っておいでよ」というお話をしても、「戻りたいリングがない」ということをよく言われていたんですね。正直、私もこの2年間で、1日もプロレスのことを考えない日はなかったなんてことは言えなかったんです。むしろ、最近やっと試合が見られるようになって。2年前はゴングの音とかを聞くだけでちょっと胸がざわっとして見られなかったんですね。やっぱりそのときに、同じことを思って。「復帰したいリングがない」と。だから復帰したくない、という考えに至ってしまっていたんですけど。この大会が、さっき他の選手の話にもあったとおり、キャリアとかそういうのは関係ないと思ってやってほしいですし、むしろ私は、この言い方をすると語弊があるかもしれませんが、選手ファーストでいたいんですね。あくまで私の中の考えは、選手が楽しんでいないとお客さんも楽しめないと思うので。選手が楽しんでいなくて嫌々やっても、多分お客さんも楽しくないんですよね。だからやっぱり選手がまず最初に楽しんでほしいという気持ちがあるので、そういう空間を、場を設けることができたら、いつかそういう、志半ばでプロレスを離れてしまった子にも新たな道というか、「団体でもないよ、ユニットでもないよ、でも本当に試合がしたくなったらおいでよ」と言える場所があってもいいかなと思っているんですね。それはやっぱり自分自身にとっても自分を奮い立たせるというか。実際に「フリーランスサミットをやりたいんです」って声をかけたときに、こうやって3人が協力してくれて、こうやって会見をするというところまで実現できて、だいぶモチベーションとしても上がりましたし、ずっと「そういう場があったらいいのに」と思い描いていたことが、みんなのおかげで叶っているので。なので、ちょっとプロレスから離れてしまった子にも希望を与えられたら、よりプロレス界全体がもっと面白くなるんじゃないかなと思います。それと、ファンの人も応援していた選手を途中で見られなくなるというのはすごくつらいと思うので。
雪妃:俺の推していたあの子はどこへ行っちまったんだ?って。
夏:本当に気持ちがわかるんですよ。
――悲しいですよね、ファンにとっては。
夏:気持ちがわかるんです。そういうファンにとっても希望になるんじゃないかなと思って。結局いまの時代は令和なので、甘えかもしれないんですけど、選手が心に負担がなく楽しめる環境が一番良くないですか?もちろん厳しいのも必要なんですけど。
――選手自身が楽しんでいないとファンの皆さんもより楽しめないと思うので、その考えはとてもいいと思います。
夏:すべてがすべて、プロレス業界そういう場所ばっかりになってしまったら、それはちょっと本当にお遊戯会になってしまうんですけど、厳しい世界だからこそ1ヶ所こうやって、この大会に上がるときは楽しいわ、控え室から楽しいわっていう興行を作っていきたいですね。
――今日は皆さん名言連発して頂きました。イベントの大成功を祈念しております。本日はありがとうございました。
フリーランスサミット『NOMADS’』
■日時:2022年5月20日(金)18:15開場19:00開始
■会場:新宿FACE
《参戦既決定選手(順不同)》
山下りな、雪妃真矢、高瀬みゆき
SAKI、安納サオリ、朱崇花、優宇
※追加参戦選手は決定次第発表。
▼公式Twitter
https://twitter.com/NOMADS_fs
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https://instagram.com/nomads_fs
▼大会情報
https://note.com/nomads_fs/
▼オンラインでのチケット購入
高瀬みゆきオンラインショップ
▼プロレスショップチャンピオン
インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)
▼会見の様子はこちらから視聴可能