川崎ブレイブサンダースはSNS界でも強豪だった YouTube登録者数10万突破

ユーチューブ企画の一環で、シューティングゲームでプロの技を見せたファジーカスⓒ川崎ブレイブサンダース

 新たなファンのハートを射貫くのは、豪快なダンクや3点シュートだけではない。バスケットボール男子のBリーグ1部(B1)川崎ブレイブサンダースの公式ユーチューブチャンネルがこのほど、登録者数10万人を突破した。BリーグやサッカーのJリーグを含めて初の快挙に、担当者は「ファンを増やす土壌は確実に広がっている」と自信を深めている。

◆来場者以外のファンを

 クラブのユーチューブチャンネルは2016年9月にスタート。ただ、19年8月時点の登録者は4千人にとどまっていた。18─19年シーズンに親会社が東芝からディー・エヌ・エー(DeNA)に代わり、入場者数が右肩上がりとなったことをきっかけに、会員制交流サイト(SNS)にも力を注ぎ始めたという。

 事業戦略マーケティング部の藤掛直人さんは「5千人のキャパシティーに到達する勢いの中で、アリーナ外で広くファンになってもらう必要がある。来場者以外にもクラブの価値を上げていきたかった」と言う。

 ハイライト映像を投稿していた19年8月から一転、選手の素顔が見えるような企画を用意。ファジーカスがゲームセンターのシューティングで得点を量産したり、鎌田や主将の藤井らがいす取りゲームをしたりと、バラエティーの要素をふんだんに盛り込んだ。

 「老若男女が楽しめる、小学生でも分かる表現を意識した」と藤掛さん。難しい漢字を使用せず、人気ユーチューバーの「はじめしゃちょー」さんらとのコラボで認知度を上げていった。

◆若年層の心つかんだ

 登録者の属性では24歳以下が7割に迫り、55歳以上は約4%。新たなファンとなる若年層へのアプローチに成功した。今後は1万人収容の新アリーナ計画を見据えながら、SNSでの活動範囲を広げる。

 Bリーグではツイッターやインスタグラムなどのフォロワー増加数の合計で競う「ソーシャルメディア最優秀クラブ」に2年連続で選出。20年10月から動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」と連動した取り組みを始め、こちらもプロスポーツではプロ野球の巨人に続き、登録者数が10万人を超えた。

 藤井は「ファンだけでなく、他のチームの選手からも面白いと言われる。バスケを盛り上げていきたい」と笑う。藤掛さんは「コロナ禍も相まって、選手とお客さんが触れ合う機会が減っている。そこを補い、熱量を維持できるように、デジタルの分野で先頭を走っていきたい」と力を込めた。

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