教育2022:学校給食と食物アレルギー 「小学校入学が最大の壁」

勝平小学校で提供される食物アレルギーに対応した給食の一例。白身魚の天ぷらをメンチカツに替え、チェック表も付けている(同小提供、写真は一部加工)

 食物アレルギーがある子どもの親にとって、小学校入学後の給食は大きな悩み。幼稚園や保育園ではある程度柔軟に対応できていた昼食が、多くの児童に同一の食事を提供する方式に変わるためだ。保護者たちは何に悩み、学校はどんな対応を取っているのだろうか。

 「小学校入学が最大の壁でした」と、県北の40代女性は語る。

 小学5年生の長男が入学する際、12~13種ほどのアレルギーがあった。当時住んでいた自治体に個別の給食提供を頼んだが断られ、対応可能だった他の自治体に転居した。今は、牛乳を使った食べ物は除去し、必要な時には代替食を持参している。

 県央の30代女性は、小学1年の長男に小麦と卵のアレルギーがある。幼稚園では園内で手作りの昼食を用意していたため、個別に対応してもらえたが、現在はアレルゲン物質を含む食材を除いた除去食や、代替食の持参で対応している。

 「息子自身、みんなと給食が同じでないとちょっとしょんぼりしているように見える」。なるべく、給食の献立に合わせた代替食を持たせるよう気を使っている。

© 株式会社秋田魁新報社