むっちり系で具だくさん。デリマシェリの「イングリッシュマフィン」

福岡で10年以上パンブログを続け、2020年には城南区別府にパン喫茶をオープンさせた「pantiki」さん。毎日をリープアップしてくれる福岡のパンを、「ひとぱん入魂」の気持ちで1つずつご紹介いただく新連載。 3回目の今回は、福岡市舞鶴の「デリマシェリ」さんのイングリッシュマフィンです。

イングリッシュマフィンの思い出があります。

中学生くらいまで、パンが嫌いだったんですよ。と言うよりも、給食のパンがね、たべられなかった、どうしても。特にコッペぱん。

長くなり過ぎるので割愛しますが、そういうわけで(割愛し過ぎ)ご飯大好き、うどん大好きだったその昔。
唯一食べられるパンが、イングリッシュマフィンだったんですねぇ。

天神地下街のアペティート(懐かしーい)で、母がお出かけした時にだけ買ってきてくれたのが、イングリッシュマフィン。

蜂楽饅頭を薄くしたような形のそれは、黄色いコーングリッツがたっぷりついて、触るとつぶつぶ、ザラザラする。

天神からのお土産!というだけで、ワクワクしていた田舎の小学生には、その黄色いツブツブさえもキラキラの装飾のように、輝いて見えたものだ。

ナイフじゃなくて、フォークでね、横からズブズブ刺してね、わざと断面がガタガタになるように半分に割るのよ。

そう言われても、何故そんな面倒なことをするのか?最初は意味が分かってなかったけれど。
なるほど、サクッとナイフで切ると、つるっとした断面になる。

ガタガタになっていた方が、バターがじゅんわり染みていくんだね、お母さん。

トースターでこんがり焼いて、バターをたっぷりのせてシンプルに。
休日は、目玉焼きとベーコンを挟んだ豪華版になることも。

とにかく、給食のパンと違って、こんがりと焼き目のついたそれは、なんとも芳しい小麦の香りがしてたんだ。

あれから四半世紀が過ぎ、あの、4個入りの袋売りイングリッシュマフィン、今もあるのかなぁなんて思いを馳せるとき。無性に食べたくなるんです。

いくつかラインナップがある中でも「天然酵母たまごマフィン」がお気に入り。

デリマシェリさんのそれは、私の食べていたものとは段違いに分厚くて、むっちり。具もたくさん入っていて食べ応えもある。

語弊を恐れず言うなら、別物のおいしさ。
特にたまご入りがお気に入りです。

最初から、たまごサラダのマフィンサンドイッチになってるイメージ。
(なのでこれはフォークでは刺さないんですけどね)

それに、意外とイングリッシュマフィンをおいているお店が少ないという点からも、ほんとうにありがたいです。

でもね、きっと今食べたらどう思うかわからないあの頃のあの味も、大切な大切な、思い出の味なんだ。

そう、ちょっとだけおセンチなきぶんになりながら、今日はひとり台所で、ズブズブと、マフィンにフォークを刺していく。

あの頃よりも少し、上手に刺せるようになったよ、お母さん。

***

デリマシェリ 舞鶴店
住所:〒810-0073 福岡市中央区舞鶴2-8-29 サンセーヌ舞鶴1F(舞鶴小中学校近く)[map]
定休日:日曜
営業時間:11:00~19:30(土・祝は18:30)
駐車場:無し(1,500円以上購入で100円補助)
イートイン:3席
電話番号:092-714-1017

デリマシェリ 渡辺通り店
住所:福岡市中央区高砂1-3-1 宿里ビル1F (サニー清川店向かい)[map]
定休日:日曜
営業時間:10:45~20:30
駐車場:無し(1,500円以上購入で100円補助)
イートイン :8席
電話番号:092-534-7311

WEBサイト:https://delimacherie.com/

© 株式会社えんメディアネット