松岡英明のオールタイムベスト第2弾「REMIND」松BOW 35周年おめでとう!  初CD化された「メトロポリス」とNewバージョン「Visions of Boys」は必聴!

松岡英明、CDとグッズが同梱「REMIND -35th Anniversary Box-」

「なんだこれは!? 最高にカッコイイ!!」。まるで体中の血が逆流しそうになるくらい興奮したのは、3月14日にリリースされた松岡英明ベスト盤『REMIND -35th Anniversary Best Ⅱ-』を聴いたときのことだった。

デビュー35周年を迎え、2021年11月にはベストアルバム『REWIND -35th Anniversary Best-』をリリースしたばかりの “松BOW” こと松岡英明。

前作のベスト盤『REWIND』同様に今回も2枚組。EPICソニー時代の曲はもちろん、EPIC後に移籍したワーナー、インディーズでの貴重な楽曲も収録されており、まさにオールタイムベスト! 現在では入手困難な曲たちは、聴き応えたっぷり。ちなみに、今回のBOXには、CDに加え、CLAMP描き下ろしアクリルスタンド+フォトブック(全52ページ!!)+直筆サインなどなど盛りだくさんの宝箱のよう。

今、こうして改めて曲を辿ると、いかにEPIC後の松岡英明がアーティストとしてさまざまなことにトライし、よりアーティスティックに音楽作りに取り組んできたか、色鮮やかに見えてくる。

とにかく斬新で、今聴いてもまったく遜色がない… それどころか新しいと感じる不思議。当時、まだ幼くて気づけなかった松BOWの音楽の素晴らしさに改めて唸ってしまった。

とにかく最高!初CD化された「メトロポリス」とNewバージョン「Visions of Boys」

ベスト盤なだけにどの曲も素晴らしいのだけれど、とにかく初CD化された2曲が最高オブ最高! TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDとのコラボ曲「メトロポリス」はクールでスタイリッシュ、研ぎ澄まされたベースとうねるようなグルーヴ感、音がバシバシ跳びまくる。そこに松岡英明の声がまるで楽器の一部のように色をつけていく。

なんだ、これは…!!
カ… カッコイイ!!
完全に “やられた”!!

そしてもう1曲はアルバムのラストを飾る「Visions of Boys -Do the boys vision of techno?-」。“デビューシングルでこれまで何度も耳にしてきた” と油断することなかれ。アレンジがとにかく素晴らしくて新曲のように聴こえてくる。

35周年のアニバーサリーアルバムのラストを飾るのがこの曲だったのはとても感慨深かった。この曲で締め括ったことは原点に戻る意味と、新しい音楽への挑戦と受け取れた。そしてそれはまるで松岡英明の音楽人生の循環のようでもあり、これから始まる新しい物語のようでもあった。

音楽を聴いて、こんなにもゾクゾクする感覚を覚えたのは本当に久しぶりで心が躍った。この2曲がこんなにも心を掴んで離さないのは、楽曲やアレンジの見事さに加えて、松BOW自身が音楽作りを、のびのびと楽しげに取り組んでいる… そんな空気が伝わってきたからかもしれない。

ワーナー時代には、日本初のホームレコーディングに挑戦

ワーナー移籍後の作品たちは、EPIC時代にセルフプロデュース作品としてやりたいことを形にした『Light and Colour』からの、いわば “続きの物語” ともいえる。特にワーナー時代のアルバム『新世界』では、まだ誰も目をつけていなかったプロツールスによるホームレコーディングに挑戦し、アルバムを作り上げている。

以前、インタビューさせてもらった時に、当時を振り返り「(プロツールスを使ったホームレコーディングを)まだ日本人で誰もやってなかった。ちょうどその頃、同じようにホームレコーディングに挑戦していたのがレニー・クラヴィッツとリサ・ローブの2人でした」と語ってくれた(『Player』別冊EPICより)。試行錯誤しながらも時代の最先端を取り入れ、挑戦し続けてきたのが松岡英明だった。

また、今回のベスト盤にそんなアルバム『新世界』から、個人的に大好きな曲で「Kiss Kiss」のアンサーソング「BELIEVE IN YOUR EYES」が収録されていたこともとても嬉しかった。松BOWが得意とする全編英語の歌詞で、“僕は今でもきみの瞳を信じてるよ” と繰り返されるメッセージ。曲に奥行きを生んでいるのは、松BOWの声に重なり、混ざり合う美しいコーラスワークの見事さにある。ビートルズを彷彿とさせるブリティッシュな香り漂う名曲中の名曲だ。

この曲を聴くたび、こんなにも素晴らしい曲が日本の音楽として存在するということがただただ嬉く、誇らしくなる。

アーティスト人生を貫く松岡英明

松岡英明の初期のイメージは、アイドルとアーティストの狭間に立つ稀有な存在であり、EPICというポップカラーなレーベルの申し子でもあった。そんな彼がEPICを離れ、紆余曲折しながらも、今日まで歌い続けてきてくれた35年に、いちファンとして心から感謝の気持ちが溢れてくる。

ワーナー時代から今日までの道程は、けっして平坦ではなかっただろう。けれど、アーティスト人生を貫き、常に果敢に挑戦し続けてきたからこそ生まれた素晴らしい楽曲たちが、このベスト盤の中で活き活きと躍動している。そして「メトロポリス」や「Visions of Boys -Do the boys vision of techno?-」のように新しい曲たちが、こうしてまた私たちを新しい “松岡英明の音楽世界” へ連れて行ってくれる。そんな松岡英明を誇りに思う。

松BOWの確かな音楽センス、クオリティの高さが、今回のベスト盤で立証されたのではないだろうか。発売日はホワイトデー。きっと松BOWからファンへの素敵なギフトになるだろう。

改めて「松BOW、35周年おめでとうございます!」

カタリベ: 村上あやの

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