現新4人 舌戦開始 大田原市長選告示 財政や地域活性化争点

大田原市長選に立候補した4氏。左から星雅人氏、鈴木隆氏、津久井富雄氏、相馬憲一氏

 任期満了に伴う大田原市長選が13日告示され、新人の前市議星雅人(ほしまさと)氏(37)、同鈴木隆(すずきたかし)氏(63)、4選を目指す現職津久井富雄(つくいとみお)氏(72)=自民、公明推薦、新人の前県議相馬憲一(そうまけんいち)氏(64)の無所属4人が立候補を届け出た。財政や地域活性化を争点に、現市政の継続か刷新かを問う市政初の4人による激戦が始まった。県内「ミニ統一地方選」がスタートした。

 星氏は午前10時、同市紫塚1丁目の稲荷神社交差点で出陣式。県内外から「関東若手市議会議員の会」の同僚市議らが駆け付けた。

 他の候補者3人が60歳以上であることから、自身の若さをアピール。「これからの10年は日本、世界、大田原市にとって非常に重要。気候変動や人口減少などの現状を理解し、行動できるのは私しかいない」と世代交代の必要性を訴えた。

 鈴木氏は午前11時から、同市浅香1丁目のJAなすの土地建物相談センターで第一声を放った。

 鈴木氏は「市民の生命と財産を守り、大田原を発展させる」と強調。市の課題に高齢化や公共施設の老朽化などを挙げ「財政や人口減少で過疎化に対する不安の声が聞こえる。国からの予算確保やふるさと納税の増額、企業誘致などで財政強化を図る」と主張した。

 津久井氏は午前10時から同市中田原の結婚式場の駐車場で出陣式に臨んだ。簗和生(やなかずお)衆院議員や高橋克法(たかはしかつのり)参院議員、衆院3区内などの自公の県議、市町長をはじめ市議17人らが出席。

 津久井氏は「市民の安心安全に全力を尽くしてきた。壊れたインフラを整備し、市の借金は就任時から59億円返した。幸福をみんなで分かち合う理想の古里をつくりたい」と訴えた。

 相馬氏は午前10時半から、同市山の手1丁目の大田原商工会議所前の金燈籠(かなどうろう)交差点で第一声を上げた。

 出馬理由に硬直化している市の財政を挙げ、「財政健全化に向け、第三者委員会で市の支出の一つ一つを見直す」と強調。歴史を観光に生かす地域活性化を掲げ「31年間、地方議員を務め、多くのパイプがある。市民のための政治を任せてほしい」と力を込めた。

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