大石知事「強い覚悟でまい進」 初の長崎県議会で所信表明

定例県議会で所信を述べる大石知事=県議会議場

 先月の長崎県知事選で初当選した大石賢吾知事は14日、初の定例県議会に臨み、「県民が豊かで温かい暮らしを営むことができる社会の構築を目指し、新しい長崎県をつくりあげられるよう、強い覚悟を持ってまい進する」と所信を述べた。
 知事は「県民の期待の大きさと責任の重さに身が引き締まる思い。今後の県勢発展に向け全身全霊を尽くす」と決意を語った。
 所信表明は知事選で掲げた公約が随所に盛り込まれ、自身のリーダーシップを強調する内容となった。
 重要課題の人口減少対策は「社会減・自然減の両面から施策の充実・強化を図り、本県の輝かしい未来に結びつけられるよう、先頭に立って切り開くことが私の使命」と意気込んだ。
 その上で地場中小企業の活性化や企業誘致を促進しながら、移住者を呼び込む施策も強化すると説明。子育て支援策として出産育児一時金の増額や子どもの医療費助成拡充を検討すると表明した。人工呼吸器の装着など医療的なケアが日常的に必要な子どもへの支援にも取り組む。
 喫緊の課題の新型コロナウイルス対策については「完全な収束は現実的ではない。共生を前提に保健・医療・福祉機能と社会経済活動との両立を図る必要がある」と指摘。「地域ごとの状況を見極めながら、経済活動の回復・拡大に注力する」と述べた。
 農林水産業や観光産業の振興は「私自身がPR隊長として、魅力を県外・海外に売り込んでいく」と意欲。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致や石木ダム建設、九州新幹線長崎ルートの全線フル規格化などの難題にも積極的に取り組む姿勢を示した。離島振興や交通網整備、防災対策の重要性にも触れた。
 また被爆県のリーダーとして、被爆体験者の救済や核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加を「国に強く要請する」と力を込めた。女性副知事の登用のほか、自身の退職金辞退、知事と副知事の給与の一部減額にも言及した。
 この日開会した定例県議会は会期を30日までの17日間と決めた後、骨格予算となる総額6865億6千万円の2022年度一般会計当初予算案など60件を上程した。このほか意見書2件、決議案2件を可決した。


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