いま観たいサメ映画4選!『シン・ジョーズ 最強生物の誕生』『シャークトパス VS 狼鯨』ほかAmazonプライムビデオで配信中

『サマー・シャーク・アタック』©SUMMER SHARKS, LLC 2016. ALL RIGHTS RESERVED.

この世には相も変わらずサメ映画がはびこっている。というわけで今回は、有料・観放題問わず、ソフト発売中/Amazonプライム・ビデオで配信中のサメ映画を、“ヘンテコな題材”かつ“そこそこまともに見られるもの”に絞って紹介していこう。

『シャークトパスVS狼鯨』© 2015 Emerald City Pictures, LLC All Rights Reserved

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お約束な要素てんこもり『サマー・シャーク・アタック』

まずは『サマー・シャーク・アタック』(2016年)。キャンプ地の淡水湖に現れた人食いザメを巡って、主人公一家や現地人が奮闘するパニックものだ。

『サマー・シャーク・アタック』©SUMMER SHARKS, LLC 2016. ALL RIGHTS RESERVED.

今回紹介するタイトルの中では、本作がある意味もっともサメ映画らしい一本となるだろう。ちょっぴりガラの悪そうな水着美女らが、のそのそ現れキャーキャー騒いではサメに食べられてしまうというおなじみの展開。とにかく命の扱いが軽く、ポンポン人死にが起こるものの、そんな大惨事に直面することとなる主要人物たちのメンタルはいやにタフであり、さほど動じないか一時的にショックを受けても立ち直りが尋常じゃなく早い。

『サマー・シャーク・アタック』©SUMMER SHARKS, LLC 2016. ALL RIGHTS RESERVED.

サメは徹底して無個性悪役モンスターの役割を演じており、最終的にはボッコボコにやられまくる。そして、それまでの被害や事後処理のことは無視してなんとなくハッピーっぽい雰囲気を漂わせているラストなど、いやはや実に陽気でなまぬるい。この手の低予算アニマル・パニック映画にありがちな要素がてんこもりである。

『サマー・シャーク・アタック』©SUMMER SHARKS, LLC 2016. ALL RIGHTS RESERVED.

が、平々凡々としており特別図抜けたところがない代わりに、全体的な安っぽさ・ジャンク感を除いては極端な短所も見られず、人によっては意外とまあまあ楽しめてしまうかも。少なくとも、2010年以降の量産型サメ映画にしてはギリギリアリな部類か。

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ハマる人はとことんハマる?『BAD CGI SHARKS/電脳鮫』

続いて紹介するのは『BAD CGI SHARKS/電脳鮫』(2020年)。ここ数年のインディー系サメ映画には、「どうせサメ映画だから」となにか勘違いしてナメきったような内容の作品がしばしば見受けられる……のだが、こと本作に限っては、作品が最低限一本の映画としてちゃんと体を成しており、飛び道具的なネタの数々も含め、それなりにおもしろい。

『BAD CGI SHARKS 電脳鮫(サイバージョーズ)』© 2019 A MaJaMa / ThisGasThing Production. All rights reserved.

ストーリーは、凹凸コンビの兄弟がかつて創作したサメ映画の未完成脚本から、ヘッポコCGの人食いザメが飛び出し、現世で暴れ回るというもの。

『BAD CGI SHARKS 電脳鮫(サイバージョーズ)』© 2019 A MaJaMa / ThisGasThing Production. All rights reserved.

インディー映画らしいチープすぎる出来栄えや、ときとしてやや空回りもするハイテンションギャグとメタ・フィクションネタの多用ぶりが人を選ぶところだが、“サメ映画”と“創作に対する熱い思い”をテーマにした物語はなかなか見応えがある。そのジョークもムラッけはあるが必ずしも悪くはなく、ハマる人はとことんハマる内容だろう。

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サメ×タコの人気シリーズ3作目『シャークトパス VS 狼鯨』

三番手は『シャークトパス VS 狼鯨』(2015年)。サメとタコが合体した超生物“シャークトパス”を主役にしたパニック映画、『シャークトパス』シリーズ(2010年~)の3作目にあたる。なお、本作の視聴にあたって前二作をわざわざ予習しておく必要はない。作品間の繋がりは薄いし、観たってどうせ意味はわからない。

『シャークトパスVS狼鯨』DVD 発売元:インターフィルム © 2015 Emerald City Pictures, LLC All Rights Reserved

なにせ「落ち目の元野球選手が改造手術で巨大モンスター狼鯨(シャチとオオカミのDNAを持つ合体生物)に大変身、本能に身を任せシャークトパスと対決する」なんてトンデモ脚本は勢い任せで理解不能、コメディ調でなんでもアリなノリのドタバタ劇だ。

『シャークトパスVS狼鯨』© 2015 Emerald City Pictures, LLC All Rights Reserved

ゆえにその内容のまとまりのなさ、支離滅裂さを批判されることが多いサメ映画であり、まったく否定もできないが、その独特かつ強烈なテンションはこれもまた「刺されば大好きになる」もの。個人的にはかなり気に入っている。

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巨大ザメが怪獣マニア心をくすぐる『シン・ジョーズ 最強生物の誕生』

最後に紹介したいのは、『シン・ジョーズ 最強生物の誕生』(2020年)。似た邦題のサメ映画『シン・ジョーズ』(2016年)とは無関係なのはご愛敬。中国製のサメ映画であり、遺伝子操作によって生み出された水陸両用の巨大ザメが、地上で大混乱を巻き起こすというストーリー。

これが意外とおもしろく、グリグリ良い動きで暴れ回っては派手にあちこちを破壊しまくる、まるで怪獣のような巨大ザメの大活躍がたまらない。いやにピコピコテカテカしたレトロ特撮感漂う作中施設内の機器の数々も、ちょっとしたマニア心をくすぐるか。

一方、ストーリーにオリジナリティーは乏しく、『ディープ・ブルー』(1999年)ほかいくつかのパニック映画・怪獣映画の焼き直しじみており薄味。とはいえ、諸々込みの総評としては悪くない作品だ。

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以上4本のサメ映画を紹介したが、この中では『シャークトパス VS 狼鯨』と『シン・ジョーズ 最強生物の誕生』が頭一つ抜けているだろうか。とにもかくにも、ご自身の目で判断していただきたい。

『シャークトパスVS狼鯨』© 2015 Emerald City Pictures, LLC All Rights Reserved

文:知的風ハット

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