佐渡汽船株式会社(新潟県佐渡市)の事業再生計画が取引金融機関から同意を得て成立

2月に株式会社みちのりホールディングス(東京都)の子会社となることを発表した佐渡汽船株式会社(新潟県佐渡市)は産業競争力強化法に基づく私的整理手続きのもとで事業再生計画を策定してきたが、15日、取引金融機関から同意を得て成立したと発表した。

取引金融機関8社の債権については今後、金融支援を受ける予定。なお、同社の2021年12月31日現在の負債総額は、111億626万5,000円。

金融支援は具体的には、15億円については、株式会社第四北越銀行(新潟市中央区)を割当先とする第三者割当による佐渡汽船株式会社B種種類株式の発行を行い、その払込金を同社の第四北越銀行が有する対象債権への弁済に充当する。

42億1,611万円については、対象債権者6社からのシンジケート・ローン(複数の貸付人が同一の契約で実施する融資)による借入を行い、その借入金を6社が有する対象債権への弁済に充当する。

同ローン借入は、今年3月末日を借入日とし、1年9か月間元本返済を猶予し、その後15年間の分割返済とする。

16億1,469万円については、債権者5社との間で、個別の対象債権毎に借換え、または条件変更を行い、1年9か月間元本返済を猶予し、その後15年間での分割返済とする。

14億4,000万円については、債権者3社から借り入れている劣後ローン(支払い順位が劣るローン)の返済条件を維持する。

これらの金融支援は、31日実行予定のみちのりホールディングスからのスポンサー出資が実行されることなどを条件としている。

また、同再生計画案による経営数値は、みちのりホールディングスが持つサービスのデジタル化とマーケティングノウハウの導入、コスト削減努力などにより、2022年12月期見通しの売上高94億2,700万円、営業損失9,400万円を、2023年12月期には売上高113億500万円、営業利益13億2,900万円と黒字転換させるとしている。

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