2022年夏、新たな“SIXTY”ツアーのヨーロッパ公演の日程を発表したザ・ローリング・ストーンズのキース・リチャーズは、ミック・ジャガーらと共に新曲に制作を始めていることを明らかにし、チャーリー・ワッツの死を乗り越え、今年結成60周年を迎えるバンドの現在について語った。
3月13日、米CBSのTV番組“サンデー・モーニング”で放送された最新インタビューの中で、キース・リチャーズはこう語っている。
「先週ミックとスティーヴ(・ジョーダン)と一緒に仕事をしていて、8、9つの新曲のアイデアを思い付いたんだけど、それは俺たちの基準からするととてつもないことなんだ。それ以外の時は枯れ果てた砂漠みたいなもんさ。ミューズ(音楽の女神)が降臨したみたいだった。彼女の住所さえ見つけ出すことができればいいんだけどね(笑)…スティーヴがバンドに加わったことで、何か別のものに変貌しつつある今、そのダイナミクスを知るのは興味深いことだよ」
また彼は、亡きチャーリー・ワッツの後任にスティーヴ・ジョーダンを迎え、初めて敢行した昨年秋の「No Filter」ツアー全米公演について、「チャーリーは俺たちがツアーに出ることを望んでいたと思うんだ。最後に彼と話した時にそう感じた」 と語っており、振り向いた時にチャーリー・ワッツの姿が見えないことについてはこう付け加えた。「ああ、それは妙な感じさ。これだけの年月を経て、突然振り向いた時に、やっぱり彼の顔を期待してしまうだろ」
現地時間3月10日、キース・リチャーズは自身のバンド、キース・リチャーズ&エクスペンシヴ・ワイノーズ(スティーヴ・ジョーダン、アイヴァン・ネヴィル、ワディ・ワクテル、チャーリー・ドレイトンの代役ウィル・リーによる)を再結成し、ニューヨークのマンハッタン・シアターで行われたチャリティ・コンサート“Love Rocks NYC”で、「999」「You Got The Silver」「Before They Make Me Run」の3曲を披露している。
また彼は、“サンデー・モーニング”の取材に対し、近年メジャー・アーティストたちの間で、カタログの出版権を売却する動きがあるにもかかわらず、彼とミック・ジャガーはそれについて真剣に話し合ったことがないことを明かし、こう語っている。
「カタログを売る覚悟があるかどうかはまだわからない。もう少し先に引き延ばすかもしれないし、さらなる作品が加わる可能性もあるよね。(売るのは)年をとった証拠だよ」
Written By Paul Sexton