横浜市営地下鉄10時間見合わせ 工事で復旧しないまま電車走行 市交通局が原因説明「請負工事での復旧不備」  

関内駅で取り付けに不備が見つかった「サイドインクライン」(横浜市提供)

 今月3日に横浜市営地下鉄ブルーライン関内-桜木町間の上り線で発生した輸送障害について、市交通局は15日、関内駅(同市中区)の本線と留置線のポイント(分岐器)工事で電気関連設備の一部を撤去し、復旧しないまま電車を走らせたことが原因と説明した。

 同局によると、ブルーラインは線路と並行する送電用線路を用いた「第三軌条(サードレール)」方式を採用しており、今回のトラブルでは、関内駅の分岐器近くの第三軌条に設置している「サイドインクライン」(長さ6.6メートル、4枚で構成)と呼ばれる設備の一部に不備があったという。サイドインクラインは、車両側面の下部に取り付けている「集電靴」と呼ばれる突起状の装置を第三軌条上に誘導するための金属製装置。3日午前5時20分ごろ、同駅の留置線を出発した回送電車の集電靴がサイドインクラインの取り付け金具に衝突して集電設備が損傷。異常な電流を検知し変電所が送電を停止した。

 この影響で、一時全線で運転を見合わせた。全線での運転再開に約10時間を要し、約6万人に影響した。

 同駅では分岐器の改良工事中で、1日から分岐器の使用を再開したが、サイドインクラインの一部が復旧されていなかった。

 15日の市会水道・交通委員会で、三村庄一交通局長は謝罪し、「請負工事での復旧の不備が直接的な原因。工事過程や工事監理状況を分析する」と説明した。

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