【MLB】大谷一問一答 契約延長交渉は「代理人に任せてます」 開幕投手へ意欲「やってみたい」

会見に臨んだエンゼルス・大谷翔平(右)と水原一平通訳【写真:盆子原浩二】

今年初のメディア対応「もっともっと上を目指して頑張りたい」

エンゼルスの大谷翔平投手は15日(日本時間16日)、アリゾナ州テンピの球団施設で日米の報道陣の取材に応じた。報道陣の取材に応じるのは今年初めて。今季の目標や昨季MVP受賞したことでの変化、エンゼルスとの契約延長交渉について答えた。

――今年の目標と夢は。
「まずは全員が健康で、フルシーズン戦うということと、それができればポストシーズン、プレーオフが見えてくるのかなと思います」

――マドン監督は昨季ぐらいの活躍ができれば満足と話していた。
「去年と同じようにやろうと思ったらなかなか難しい。そういう成績は残らないと思うので、もっともっと上を目指して頑張りたいなと思います」

――改善できることは何か。
「技術的なところはもちろんですし、フィジカルはもうすでに去年よりいい状態でここまで来ていると思うので。引き続き改善したいなと思います」

――昨季の活躍で球界の顔に。新たなプレッシャー、責任感は生まれたか。
「去年の1年で変わるということは今のところないですけど、このいい活躍を長く続けることが一番大事なことだと思うので。チームとして勝つことも大事ですし、個人的にいいシーズンを送りたいなと思っています」

――オフ期間中は何をしていたか。開幕への心配はあったか。
「遅れそうだなというのはもちろんありましたけど、なるべく早くこっちに入ってトレーニングはしていたので。いつ入ってもいいように準備はしていました」

――昨季前半戦は制球力が安定しなかった。
「打たれるのはもちろん仕方ないですけど、四球で出すというのはなかなかリズムが悪くなりますし、改善の1つかなと思うので。去年最後の方の投球をフルシーズン続けられるように。まずはそこをしっかりやりたいなと思います」

労使交渉難航でキャンプ遅延「スタートの一発目から100%でいけるように」

――今季へ何か変えたことは。
「大きく変えたことはないですね。そこは継続して改善していくという。長期的にみて、1年間どうこうなるという。大きく変わるということはないですし、5年、10年を見た中でしっかりと続けていったらなと思います」

――昨季は二刀流ラストチャンスだった。心境の変化は。
「2つやる、やらない関係なく、どの選手も毎年入れ替わりが激しいですし、毎年出る保証もないので。レギュラーの保証もないので。なので毎年毎年、スプリングトレーニングから結果を出していく。その気持ちで頑張りたいなと思います」

――開幕投手への意欲は。
「そうですね。やってみたいなというのはもちろんありますけど、特に絶対にやりたいというのはないので。投げるにしろ打つにしろ、まずは開幕でいいスタートを切れるように。そこへ調整して頑張りたいなと思います」

――契約延長についての話はあったか。
「もうシーズンに入っていくので、代理人に全部任せています」

――シーズン中に契約の話をするのか。
「個人的には、基本的には代理人に任せてシーズンに集中したいなと思っています」

――シンダーガードらを投手陣を補強した。
「雰囲気もいいと思いますし、今年からの選手もみんないい人ばかりで馴染んでいると思うので。いい風にいけたらいいなと思います」

――キャンプも短い。シーズン100%で臨むにはいつ仕上がるか。
「それは頭から行けるように準備をしていますし、そのために今年は秋から、その前からですけど、やってきているので。スタートの一発目から100%でいけるようにしたいなと思っています」

労使決裂でキャンプが1か月遅延「準備してきたものを出したい」

――キャンプが1か月遅れで始まった。
「始まりそうで良かったというのと、準備してきたものをあとはしっかりとキャンプから出したいなと思います」

――体が一回り大きくなったように見える。
「毎年改善するところはあると思うので、体重的には去年の最後と変わっていないですけど、上げる重量、体の強さは年々上がっていると思うので。それをしっかりとプレーでつなげて出せるようにキャンプからしたいなと思います」

――投手調整の手応えは。
「去年のはじめよりいい状態で臨めていると思うので。フィジカルを含めて。少し開幕まで急ぎ足、駆け足になると思いますけど、その中でできることをしっかりやりたいと思っています」

――オープン戦の試合数も少ない。どういうプランで進めるか。
「期間が短くなるので、登板間隔とか登板する数が1、2回減ると思うので。その中で100%に持っていけるようにしたいなと思います」

――労使交渉の難航で待たさせた。
「いつ開幕するかは決まってなかったので。メンタルはそうですけど、いつメニュー的に切り替えていくか。そういうのを含めて、ちょっとやりずらいところがありましたけど、でも思っていたより早めに開幕しそうですし、今まで通りの感じで行けるんじゃないかなと思っています」

――トラウトが万全で戻ってくる。
「打線がつながって、相手なら考えるものがありますし、自分が投手でも打線の流れを考えて投げたりするので。チームとしては大きいことじゃないかと思うので。核になる選手が期待された通りの活躍をすることによって、勝ち試合を広げる確率が高くなるかなと思います」

――今までのスプリングトレーニングと違った気持ちか。
「特に大きな変化はないですね。継続できるようにというのが一番ですし、去年の成績が今年残る保証はないので。しっかりと気を引き締めて頑張りたいなと思っています」

昨季終了時と同じ体重102キロでキャンプイン

――キャンプインまでどれぐらい練習できたか。
「ライブBPは、投げる方はこっちに来る前に1回投げたくらいなので。実戦はそのぐらいですし、打つ方は4、5回は入っていたので、そこそこ前からやっていたかなと思います」

――オープン戦も始まる。現段階の仕上がりは。
「明日はライブBPがあるので、今日は軽めのピッチングでしたけど、ここから徐々に。実戦の回数が減ると思うので、そこも考えながら調整したいなと思います」

――両リーグDH制で打席数が増えることが予想される。ポストシーズン進出も12チームに増えた。
「個人的にナ・リーグもDHになるのは出場する機会が増えると思うので、個人的に考えればいいことじゃないかなと思います。ポストシーズンに関しては、ギリギリで出るより地区優勝を狙って、しっかりとチームとして勝って出るのが理想的だと思うので。まずはそこを目指して頑張りたいなと思います」

――体重が変わっていないと。
「102(キロ)なので、225パウンドとかそのぐらいですかね」

――フィジカルが良くなっている。速い球を投げることへの意欲は。
「スピードもコマンドもいい動きをすれば、必然的に上がっていくものだと思っているので。どっちかを伸ばすとかいうイメージではなくて、どちらも伸ばしていくというか、完成度、再現性高く投げるのがベストかなと思います」

――キャンプ前の実戦練習では何人ぐらいと対戦できたか。
「何人ぐらいですかね。でも同じような投手と毎週やっていたので、そんなに毎週毎週、違うような投手ということはないですかね」

――ドライブラインか。
「そうですね」

新人王、MVPに続いてサイ・ヤング賞受賞なら史上3人目の快挙「もちろん取りたい」

――去年活躍したことでチーム内での立場の変化は。
「特に大きな変化は感じていないので。やることをしっかりできれば。単純に所属する年数が長くなることで、チームとしての位置というか、やらないといけないことが増えてくるかなと思うので。計算される度合いも高くなってくると思います。いつも以上にやらないといけないなという気持ちではあるかなと思います」

――数値的な目標設定は。
「数字はどうですかね。ナ・リーグがDHになったりとか、その数によってだいぶ変わってきたりするので。数字を決めるというよりは全体的な出場の数を増やすことで上がってくるかなと思うので。そっちの方が大事かなと思っています。健康にシーズンを通すことによって、絶対的な数を増やしていくということですね」

――投球は昨季中も「リハビリ」と話していた。今年のテーマは。
「テーマは変わらないですね。1年間しっかりローテーションの1人として投げ抜くこと。投手として。その数が増えれば、いい成績が残ると思うので。数が増えるということは自信を持ってマウンドに上がれるということだと思うので。それが去年より自信を持って上がれるなら、去年よりいい成績が残るんじゃないかなと思っています」

――2桁勝利は。
「勝利よりかは防御率、WHIPの方が大事かなと個人的には思っているので。そこの数字を残しながら。あとは自分も打線の1人として入るので、そこで点を取れれば勝てるというところかなと思います」

――バーランダーの球を「品のある球」と例えた。近づいているか。
「品のある球というのは表現の1つでしかないので。汚い球がダメだというのがダメということではない。何を目指していくかで変わってくるかと思います」

――ドン・ニューカム、ジャスティン・バーランダーが新人王、MVP、サイ・ヤング賞を受賞。サイ・ヤング賞を取れば史上3人目となる。
「もちろん取りたいなという気持ちはあります。まずは1年間出ないと見えてこないので。欲しい、欲しいだけでは取れないもの。やらなきゃいけないことをまずしっかりとやることが大切かなと思います」(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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