【高校野球】名将に駆け上がった10、20年前の選抜 大阪桐蔭、日大三島の指揮官にある共通点

日大三島・永田裕治監督(左)と大阪桐蔭・西谷浩一監督【写真:橋本健吾、中戸川知世】

10年前は大阪桐蔭が初優勝→春夏連覇、20年前は報徳学園が2度目の優勝で秋春連覇

第94回選抜高校野球大会が18日、阪神甲子園球場で開幕する。10年一区切りとはよく言ったものだが、今大会に出場する2人の名将には“ターニングポイント”になる年があった。2012、2002年の選抜大会で頂点を掴んだ指揮官に注目したい。

今から10年前。大阪桐蔭は藤浪晋太郎(現阪神)、森友哉(現西武)らを擁し選抜初優勝を飾ると、その後夏の選手権大会も制し史上7校目となる春夏連覇を達成した。

さらに遡った20年前。前年秋の明治神宮大会を制した報徳学園は大谷智久(現ロッテ2軍投手コーチ)が全5試合を1人で投げ抜くと、打線も尾崎匡哉(元日本ハム)ら強力打線を形成し、28年ぶり2度目の選抜優勝。史上3校目となる“秋春連覇”を成し遂げている。

両チームの指揮官は共に報徳学園出身で後輩、先輩関係になる西谷浩一監督と永田裕治監督。これまで2度の春夏連覇を成し遂げるなど甲子園通算56勝の西谷監督は秋の王者として、同26勝の永田監督は日大三島に移り、わずか2年目で聖地に帰ってきた。

西谷監督と永田監督の対決は2008年・選手権大会の準々決勝1度だけ

西谷監督は個の力を高め爆発させる“横綱野球”のイメージを持つ高校野球ファンは多いだろう。昨秋の神宮を制した際には「なかなか獲れないタイトル。今年のチームがしっかり乗り越えてくれて嬉しい」と安堵の表情を見せたが「もう一度チームの底上げをしていきたい」と、手綱を緩めることなく頂点を見据えている。

報徳学園時代から変わらず、泥臭く守り勝つ“全員野球”で勝利を目指す永田監督。2017年春以来、5年ぶりの甲子園采配になるが「生徒たちに次は甲子園で勝つ喜びを味わってほしい」。昨秋の神宮大会では初戦を突破すれば大阪桐蔭と対決する可能性があったが「うちとはレベルが違う」と笑いを浮かべていた。

ちなみに両監督の甲子園での対決は1度だけある。2008年・選手権大会の準々決勝では大阪桐蔭が中盤に報徳学園のエース・近田怜王(元ソフトバンク)を攻略し7-4で勝利。その後も勝ち上がり、17年ぶり2度目の夏制覇を果たしている。

大阪桐蔭は大会6日目の第1試合で鳴門、日大三島は大会3日目の第2試合で金光大阪と対戦する。両者は別ブロックに入り、対戦の可能性があるのは決勝戦のみだ。(Full-Count編集部)

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