21世紀のECMを代表するピアニスト、トルド・グスタフセン4年ぶりのトリオ作品リリース決定

(C)Caterina Di Perri / ECM Records

自国ノルウェーでは、ポップス・チャート1位にも輝いたことがあり、現ECMレーベルを代表するピアニストでもあるトルド・グスタフセンが4年ぶりとなるトリオ作品『オープニング』を5月11日にリリース(デジタル+輸入盤は4/8発売)することが決定し、収録曲「Stream」の先行配信がスタートした。

<動画:Stream

本作品『オープニング』は、彼の初期の作品で探求された美しいメロディやスタイルを発展させながら、トリオのレパートリーに幅広いしなやかさと変化した相互作用の感覚を導入している。

また、本作品ではベーシストにスタイナー・ラクネスを初めて迎えているが、彼はトルドの洗練されたコード研究とヤール・ヴェスペスタの繊細なスティックとブラシワークの間にすぐに溶け込み、深いところでメンバーをサポートしているように感じられる。

音楽には開放感があり、ゆったりとしたインプロヴィゼーションと、自分のペースで静かにメロディを明らかにしていく傾向があるが、「抽象的であれ叙情的であれ、何かを語りたいという衝動は内側から湧いてくるものなんだ」とグスタフセンはコメントしている。また、「アルバムのレコーディングでは、まず呼吸を整え、より有機的な方法でサウンドスケープを開き、メロディが自然に出てくるようにした方がいいと感じたんだ」という。

本作における気質の変化は複数の要因が考えられるが、メンバーの変更はそのひとつであることは間違いない。

ベーシストのスタイナー・ラクネスは、音楽の中でしっかりとした対極を確立している。

「彼は外向的なベーシストで、センターステージに立つことを好みますが、同時に非常に協力的で謙虚な伴奏者でもあるので、バックグラウンド、コレクティヴ、ソロイストの間を非常に素早く移動します」とグスタフセンは話す。

変幻自在のベースラインと理想的なバランスを保つヤールのパーカッシヴなリズムは、ストレートアヘッドとルバートを交互に繰り返す仲間のミュージシャンを導くメディエーターとして機能している。

グスタフセンはこれまで以上に、極小の断片、短いコード・チェーン、モチーフの希薄なヒントにこだわり、忍耐強く素材を発展させていく。「これはソロ・コンサートでよくやることなんだ。暗闇からテーマが現れて、また陰の底流に消えていく......」。

本トリオは、わかりきったことを述べてすぐにメロディを求めるのではなく、厳格な構成と引き換えに、思慮深く自由な即興性をもって、オープンに曲と向き合っており、21世紀のECMを代表するピアノ・トリオ作品が完成したといえるだろう。

■リリース情報

トルド・グスタフセン・トリオ『オープニング』
Tord Gustavsen Trio / Opening

2022年5月11日(水)
デジタル&輸入盤:4/8リリース
SHM-CD 税込:¥2,860 UCCE-1193

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