東北電力ネットワーク株式会社が、「託送供給等約款」内の損失率や非FITの発電設備の取扱いなどの項目を見直し

東北電力新潟支店

東北電力ネットワーク株式会社(宮城県仙台市)は16日、「託送供給等約款」に定められた「損失率」や非FITの発電設備の取扱いなど3点の見直しが、経済産業大臣から認可されたと発表した。実施日は、4月1日から。

「託送供給等約款」とは、小売電気事業者や発電事業者などが、同社の送配電設備を利用する場合の料金などの供給条件を定めたもの。同社では3日、電気事業法第18条第1項に基づき、「託送供給等約款」の変更認可申請を経済産業大臣に行い、16日に認可がおりた。

今回の主な変更内容は3点。1点は「損失率」の見直し。「損失率」とは、発電所で発電された電気が需要家に供給されるまでの間に失われる電力量(送電ロス)を算定するための比率で、小売電気事業者などは、需要場所で消費される電力量とこれに係る送電ロスの合計に相当する量の電気の調達を行う。

2019年7月に開催された電力・ガス取引監視等委員会第40回制度設計専門会合において、「託送供給等約款に定める損失率は年度によって変動することが考えられるため、毎年至近3年の実績損失率の平均値に見直すことが望ましい」と整理されたことに伴う変更となる。今回は、2018年度から2020年度の実績損失率の平均値に変更する。

具体的には、低圧で供給する場合は7.9%から8.2%に、高圧で供給する場合は4.7%から5.0%、特別高圧で供給する場合は1.8%から2.0%に見直す。

変更の2点目は、インバランスリスク単価の30分コマ値化の取扱いについて。発電・小売電気事業者などが電力広域的運営推進機関へ提出した、日々の発電・需要計画などに対する発電・需要実績などの差分を「インバランス」という。一般送配電事業者や小売電気事業者が、太陽光発電や風力発電の発電量の予測を行う制度の下で、インバランス調整を担うことに伴うコストを補填するものとして、「インバランスリスク単価」を用いる。

2021年12月24日開催の第38回総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会で、インバランスリスク単価について、「2022年4月から30分ごとに計算する運用を開始すること」が整理されたことに伴い、この内容を供給条件に反映する。

3点目は、非FITの発電設備の取扱いについて。こちらは2021年11月18日開催の第41回総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会電力・ガス基本政策小委員会において、「特段の理由がないにも関わらず分割された発電設備群について『一つの発電設備』としてみなすことが必要」と整理がなされたことに伴う変更となる。

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