【東名あおり運転差し戻し審】長女「被告の車が4回割り込み」 改めて「妨害運転」証言

横浜地裁

 大井町の東名高速道路で2017年、「あおり運転」を受け停止させられたワゴン車に後続車が追突し、男性=当時(45)=一家4人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた無職の男(30)の差し戻し裁判員裁判の第9回公判が16日、横浜地裁(青沼潔裁判長)であった。約1カ月ぶりの公判で、事故死した夫婦の長女(20)と、被告の元交際相手の証人尋問のやり直しが行われた。長女は「停車までの間、被告の車が、私たちの車の前に計4回割り込んできたと思う」と改めて被告の「妨害運転」を証言した。

 長女は前回の2月の証人尋問でも同様に証言。先に減速、停車したのも「被告の車だと思う」などと、運転態様や事故直前の状況を改めて述べた。

 一方で弁護側は、長女が18年の一審の証言では、割り込みを4回と特定しておらず、どちらが先に停車したかは「覚えていない」などと、今回と異なる内容だったと繰り返し指摘。供述の信頼性を追及した。

 長女は「ちゃんと数えたら合っていると思う」「当時のことを私しか覚えていないので、できるだけ細かいことも(今回は)伝えたいと思った」と答えた。

© 株式会社神奈川新聞社