毎年配当が増加していく!「連続増配株」の企業トップ10

株式投資の魅力のひとつに「配当」があります。なかでも、毎年継続して配当の増えている「連続増配株」は、長期保有に適した銘柄といえるのではないでしょうか。

そこで、Twitterフォロワー数8万人の現役サラリーマン投資家・長期株式投資氏(@budoukamail)の著書『オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資 ど素人サラリーマンが元手5万円スタートでできた!』(KADOKAWA)より、一部を抜粋・編集して長期保有に適した銘柄を紹介します。


「減配」について過去5年はチェック

配当を受け取るために投資したものの、企業業績が悪化して株価が下落し、さらに配当まで減らされてしまっては元も子もなくなってしまいます(配当が減額されるこを「減配」と言います)。

この減配を避けるためには、どのような企業へ投資したらいいのでしょうか。

難しく考える必要はありません。これまでに減配したことのない銘柄を選択するだけです。

過去に支払われた配当金額の推移は、各企業が作成している有価証券報告書で確認できます。ですが、多くの企業では、個人投資家向けに分かりやすい資料を作成してホームページで公開していますので、それらを活用した方が便利でしょう。

資料は、インターネットで「会社名」「IR」「株主還元」「配当金」等のキーワードを入れて検索すれば、容易に見つけることができます。

ここで言う「IR」とは、Investor Relationsの略で、企業が投資家に向けて情報発信する活動等を意味し、決算情報や業績、格付け等、投資の判断に必要な情報が公開されています。

また、個人投資家向けに事業内容等についての情報提供をおこなっていることも多く、投資先企業がどのような事業を展開しているのか、理解を深めるのに役立ちます。

では、具体例としてNTTの年間配当額の推移を確認してみましょう。

下記の図を見てください。2015年度に55円だった配当は、2016年に60円、2017年に75円と増配(配当が増えること)し続けており、2015年以降に減配された年はないことが確認できます。

【NTT株の年間配当額の推移(NTT ホームページより 作成)】

少なくとも過去5年程度は減配がないか、チェックしておいた方がいいでしょう。より慎重に投資するのであれば、2008年のリーマンショック時にも減配していない銘柄を選択すれば、投資の精度はさらに向上します。

「安定配当株」は一般的に業績も安定している

株価は常に流動的です。いつ、いくらで買えばいいのか、判断が難しいことも少なくありません。

しかし、配当が安定していれば、いくらで買えばどのくらいの配当利回りが期待で きるか、ある程度の確度をもって投資することができます。

自分が納得できる配当利回りで投資ができているならば、仮に株価が下がったとしても、自分が投資した時よりもさらに有利な条件、つまり、以前に投資した時よりも高い配当利回りで投資ができることになります。

安定配当株への投資は、株価の変動はあれども、減配される可能性が低いことから、安心して保有を続けることができます。場合によっては、株価が下がった時に買い増しすることで、保有株式の配当利回りを高めることもできるのです。

そして、大抵の場合、配当が安定している企業は業績も安定しており、株価が一時的に下がったとしても、気が付けば戻していることもよくあります。

長期的視点では、株価が下がった時に株を買い増ししておけば、株価が戻った時には投資元本に対する配当利回りが上昇するのとともに、キャピタルゲイン(株を売却することで得られる利益)も得ることができます。

ペンシルベニア大学経営大学院教授であるジェレミー・シーゲル教授の言葉を借りるならば、配当とは「下落相場の安全装置(プロテクター)」でありながら、「上昇相場の加速装置(アクセル)」でもあり、投資を長く続けていく上で重要な役割を果たしてくれるのです。

【配当利回り上昇の仕組み】

「連続増配株」のトップ企業

日本には、毎年継続して配当の増えている「連続増配株」が存在します。

減配をしないだけでなく、毎年配当が増えていくため、単に保有しているだけで投資元本に対する配当利回りが上昇していくのです。

連続増配株をあらかじめリストアップしておいて、自分が納得できる株価になった時に投資できれば、単に保有しているだけで毎年配当は増加していくので、安心して長期保有できるはず。

連続増配株は、投資した時点では配当利回りが比較的低い傾向にありますが、長期保有することで投資元本に対しての配当利回りは信じられないくらいに上昇することも珍しくありません。

連続増配を維持できるということは、業績も堅調に推移している場合がほとんどで、今後の株価上昇も期待できるでしょう。

本書執筆時における日本の連続増配ランキングTOP10を下記図に掲載しておきます。いずれも、リーマンショックという100年に1度の金融危機でも増配を継続した猛者達です。

【連続増配ランキング(2021年11月現在)】

このような企業は、業績も安定していることがほとんど。また、ランキング外の企業でも、数年間の増配を続けていれば業績が堅調であることが多いので、投資を検討する際には、配当が上昇傾向にあるかどうかを確認してみてください。

このような増配していく傾向を持った企業は花王、ユニ・チャーム、ライオン等のトイレタリーセクターや、KDDIやNTT等の通信セクター、芙蓉総合リース、リコーリース、みずほリース等のリースセクターに多く見られます。

他のセクターであっても、自動車補修部品を扱う商社であるSPKがランキング3位に入っていたり、自動車オークション運営会社のユー・エス・エスが6位に入っていたりします。
特定の業種にこだわらず、広い視野で投資先企業の検討をおこなった方が、投資の選択肢が増えて、よりよい企業へ投資できる機会が増えるでしょう。

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