
16日に宮城、福島両県で震度6強を観測した地震は仙台市の観光名所、仙台城跡(青葉区)を直撃した。本丸跡の仙台藩祖伊達政宗の騎馬像が傾き、石垣が一部崩落するなど杜の都を象徴する場所が傷ついた。
市によると、騎馬像は台座に接続する左前足と右後ろ足に幅1センチ程度の亀裂が入り、正面から見て左側に10度ほど傾いた。地震の強い揺れの影響とみられる。
市は騎馬像が倒れる恐れがあるとして、17日午後に周囲に足場を組み、立ち入りできないようにした。今後は、修復作業に向けた検討に入る。
騎馬像は1964年に再建された2代目。東日本大震災の強い揺れを乗り越えたものの、今回の地震で痛手を負った。青葉区公園課の担当者は「速やかに修復したいが、現地で作業を進められるのか、他に移設する必要があるのか、現時点では何とも言えない」と表情を曇らせた。
仙台城跡では往時をしのばせる石垣が「本丸北西」「酉門(とりのもん)」の2カ所で計28メートルにわたって崩れ、市道仙台城跡線の一部が通行止めとなった。本丸北西は震災でも59メートルにわたり崩落し、市道の全面通行再開まで4年間を要した。
市教委は仙台城跡の石垣を伊達文化の魅力を発信する貴重な財産と捉える。文化財課の担当者は「時間はかかるかもしれないが、きちんとした形に修復することが大事だ」と強調した。


