原城跡に「夢一夜城」4年ぶり復活 南島原 20日には花火大会

4年ぶり現地に復活した「夢一夜城」。背後には平成新山がそびえる=南島原市、原城跡

 島原・天草一揆(1637~38年、島原の乱)の舞台となった世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つ、原城跡(長崎県南島原市南有馬町)の二ノ丸跡に、ベニヤ板製の「夢一夜城」(高さ13メートル、幅13メートル)が4年ぶりに復活した。27日午前まで鑑賞できる。
 21日現地で予定されていた春恒例の「原城一揆まつり」(実行委主催)は新型コロナウイルスの影響で今年も中止が決まった。
 一夜城は大阪城をモチーフに1996年から2018年まで、地元の町おこし団体「歓皆(かんな)の会」(中村議市会長、25人)が原城跡に毎年“築城”。まつりのシンボルとして人気だった。
 だが、世界遺産登録翌年の19年に市が二ノ丸跡で発掘調査を実施。同会は代替地として約2キロ離れた南有馬運動公園グラウンドに建てていたが、「風情がない」などと不評だった。13日に設置作業をした中村会長(68)は「久しぶりに原城に帰ってきた。コロナ禍で沈んだ市民の心が少しでも晴れれば」と話した。
 市世界遺産市民協働会議(原田建夫会長)は20日午後8時から、原城跡の登録3周年を記念した花火大会を同町の浦田漁港周辺で実施する予定。


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