実在する相手を装ったメールで感染…「Emotet」被害急増 香川県では学校PCが

流行中の「Emotet(エモテット)」というコンピューターウイルスをご存じですか?
実際にやりとりをしたことのある人の名前でメールが届くのが特徴です。感染するとパソコンの情報が抜き取られてしまうため、注意点などを取材しました。

コンピューターウイルス「Emotet」の特徴は、過去にやり取りした相手からのメールであるかのように見せかけることです。

まず、実在する名前やメールアドレスを使って「返信」や「転送」の形式でメールが送られてきます。ワードやエクセルなどのファイルが添付されているケースや、ファイルは添付されてはいませんが、URLが貼られていて、クリックするとファイルがダウンロードがされるケースが多いとされています。

ファイルを開いたときに「コンテンツの有効化」というボタンが表示され、そのボタンをクリックするとウイルスに感染してしまいます。

(香川県警察本部 生活環境課/上乃昌伸 次長)
「実在する相手になりすまし攻撃メールを多量に発信することから、関係者に多大な迷惑がかかるだけでなく、業務に支障が生じたり個人情報などが流出したりする恐れがあります」

香川県三木町の小学校では3月3日、届いたメールの添付ファイルを開いたところEmotetに感染。

夕方には町役場や町内外の学校にも同じようなメールが届いたことから、三木町はこのパソコンに記録されていたメールアドレスが流出したとみています。

さらに、3月2日にも香川県建設技術センターのパソコンが感染し、職員を装った不審なメールが複数の人に送信されていました。

情報セキュリティー対策の普及・啓発を行う独立行政法人情報処理推進機構によりますと、Emotetの相談件数は1月に16件、2月に129件、3月は10日時点ですでに336件と、全国的に急増しています。

香川県警では、OSやセキュリティソフトなどを常に最新の状態に保つことに加え、メールや添付ファイルの取り扱いについて注意を呼び掛けています。

(香川県警察本部 生活環境課/上乃昌伸 次長)
「身に覚えのないメールの添付ファイルは決して開かないでください。送信者が知り合いであっても決して安心することなく、少しでも不自然な点があれば添付ファイルを開かずに差出人に電話などで確認してください」

香川県警によりますと、もし感染した場合は、感染したパソコンをネットワークから切り離すことや、使用していた全てのアカウントのパスワードを変更するようにということです。

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