【センバツ】18日開幕 桐光学園3年板戸さん、国歌独唱の大役に「幸せ届ける」

本番に向けて国歌を独唱する板戸さん=桐光学園高

 川崎市の桐光学園高3年の板戸耀央さん(18)が、18日に開幕する選抜高校野球大会(甲子園)の開会式で国歌を独唱する。昨年12月の全日本学生音楽コンクール声楽部門・高校の部で優勝し、大役を任された板戸さんは「うれしいという言葉でまとめ切れない。選手たちを応援する気持ちを持って歌いたい」と意気込んでいる。

 ピアノ講師だった母親の影響で、幼少期から音楽に親しんできた板戸さん。桐光中に入学し、6年間合唱部に所属した。顧問の上田武夫教諭(59)は音楽の授業で初めて声を聞き、「楽器としていいものを持っている」と入部を誘ったという。

 新型コロナウイルス禍で部活動の全体練習が制限される時期もあり、自宅でも歌詞の意味やメロディーをイメージしながら練習を重ねてきた。

 同高OBの松井裕樹(楽天)が2012年夏の甲子園で1試合22奪三振の大会新記録を打ち立てた場面をテレビ観戦し、「すごい」と驚かされた。広い会場で歌うのは初とあって、板戸さんは「緊張して倒れちゃうかも」と冗談っぽく笑う。

 普段からクラシック音楽を好み、将来は「世界で通用する歌手になりたい」と夢を掲げる。「甲子園で歌えるのは本当に光栄。観客の方々を幸せにできるように。自分自身も幸せを感じながら歌えたら」。聖地の空へ、伸びやかな歌声を響かせる。

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