3年前に選んだクレカ今もお得?「最新クレジットカードの選び方」そろそろ見直しを

キャッシュレス化が進み、一昔前に比べて多くのクレジットカードが登場していますが、クレジットカードを選ぶ時、みなさんはどんな基準で選んでいますか?

「ポイントの還元率が高い!」「特典が魅力的!」という理由で選んだ人も少なくないと思いますが、使い勝手の良いクレジットカードでも条件変更で大幅に改悪されることも。つまり、3年前にお得だったものが今はお得ではないケースがあるということです。

今回は、クレジットカードの選び方に加えて、最新のお得なカードについてもお話します。乗り換えを検討している人は、参考にしてみてくださいね。


クレジットカード選びで日常のお得度は変わる!

クレジットカードの最大の魅力は、カードを利用すると付与される「ポイント」。通常ポイントの還元率は0.5%程度が多いですが、還元率の高いクレジットカードであれば1パーセントを超えることも。

仮に、毎月クレジットカードで5万円を利用する場合、還元率0.5パーセントのカードから1パーセントのカードに変更した場合、還元される金額は年間で3,000円から6,000円になります。つまり、年間で3,000円もお得になります。

ただし、クレジットカードのサービス内容は、状況に応じて見直されるもの。ポイントの還元率が高く人気だったカードが、今はポイントの還元率が低くなり、特典の魅力も薄れているということも少なくありません。

例えば、以前は、「楽天カード」で電気、ガスなどの公共料金や税金の支払いをすると、100円につき1ポイント付与されましたが、2021年6月の改訂で500円につき1ポイント付与へと変更。また、「dカード」は、還元率が高く、使用できる場面が多かった「スーパー還元プログラム」と「ローソンでの3パーセント割引」の2大サービスが終了。大幅に魅力が低下しています。

最近は、サービス内容の変化が激しいので、今持っているクレジットカードが本当に使い勝手が良いのかどうなのか今一度確認してみましょう。

カテゴリー別、お得なクレジットカードを紹介

クレジットカードの見直しをする際に抑えておきたいのが、カードは「よく使う場所でお得になる1枚」を選ぶこと。なぜなら一口にクレジットカードと言っても、支払い先や利用場所が違えば得られる特典や還元率は大きく違ってくるからです。特典やポイント還元の恩恵を最大限受けるには、自分のライフスタイルをよく考えて、最適な1枚を選ぶことが大切です。

そこで、カテゴリー別に現時点でお得といえるカードを紹介します。

■スーパー&コンビニ編

スーパーやコンビニで使用するクレジットカードを選ぶとき重視したいのが、「会員特典」。スーパー系のカードのポイント還元率は総じてあまり高くないので、会員特典に注目しましょう。

●「イオンカードセレクト」は、基本の還元率は0.5パーセントですが、イオンに加えて、ダイエー、マックスバリュなどのイオングループの店舗で利用するとポイントの還元率は1パーセントになります。また、毎月20日と30日にイオングループの対象店舗で買い物代金が5パーセントオフ、10日はポイントが5倍に。また、イオンシネマでの映画鑑賞料金がいつでも300円引きになるなど、会員特典が魅力的です。

「イオンカードセレクト」からWAONにチャージし、支払いはWAONで行うことで、ポイントの2重取りもできます。

●「三井住友カード(NL)」は、基本の還元率は0.5パーセントですが、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの大手コンビニ3社とマクドナルドの決済では、常時2.5パーセント還元されます。

Visaのタッチ決済、Mastercard®︎コンタクトレスを利用して支払った場合は、還元率が最大5パーセントになります。また、これ以外にも対象店舗から自分の好きなお店を選ぶことができ、選んだ店舗での利用は、還元率が1パーセントになります。選べる店舗は、コンビニからスーパー、ファーストフード、カフェなど幅広く、自分のライフスタイルに合わせてカスタマイズできます。

■ネット通販編

新型コロナの影響でお家時間が増え、最近は、食料や日用品などをネット通販で購入している人も少なくないのではないでしょうか。大手の通販サイトでは、公式カードを発行しています。公式カードを自社通販サイトで利用すると獲得ポイントが数倍アップするケースがほとんどです。

●「楽天カード」は楽天市場の公式カードです。基本の還元率は1パーセントですが、楽天市場で使うとポイント還元率は3パーセントになります。さらに、スーパーポイントアッププログラム(SPU)を利用することで、効率よくポイントが貯まります。楽天カードの利用で、+2倍なので、通常のショップポイント+1倍を含めて、ポイントは常時+3倍に。さらに、楽天モバイルや楽天ブックスなどの利用で最大+15倍になります。

●「Amazon Mastercard」、「Amazon Prime Masterカード」は、Amazonの公式カードです。こちらのカードは、昨年11月にリニューアルされました。

2つの違いは、申込時点で「Amazonプライム」に加入しているかどうかです。「Amazonプライム」に加入していない場合は「Amazon Mastercard」、「Amazonプライム」に加入している場合は「Amazon Prime Masterカード」が発行されます。以前は年会費があったのですが、新しいカードは年会費が無料になっています。その代わり、ゴールドカードが廃止になり、ゴールドカード限定で用意されていたAmazonプライム会員権はなくなりました。

とはいえ、「Amazon Mastercard」を使用してアマゾンで買い物をすると、1.5%の還元率になり、「Amazon Prime Master」カードを使用してアマゾンで買い物をすると、2%の還元率になります。ただし、旧ゴールド会員は、プライム会員を継続すれば、還元率は以前の2.5%になります。また、コンビニでの買い物は、以前は、1%還元でしたが、リニューアル後は、1.5%の還元率になっています。

■家電量販店編

大手の家電量販店では、各家電量販店が発行しているポイントカード一体型のクレジットカードを利用すると、還元率が高くなる傾向にあります。

●「ヤマダLABI ANA マイレージクラブカード セゾン・アメリカン・エキスプレス・カード」は、ヤマダ系ポイントと永久不滅ポイント、ANAマイルの3種類のポイントが貯まります。

こちらのカードを利用してヤマダ電機で買い物をすると、ヤマダポイントが10パーセント還元、加えて、通常のクレジット利用分として、永久不滅ポイントが0.5パーセント還元され、合計で10.5パーセント還元されます。さらにANAや出光など、限定ヤマダポイント優待加盟店では、マイルと永久不滅ポイントの他に、0.5~1パーセントのヤマダポイントが貯まります。

また、ヤマダポイントとANAのマイルは相互に交換できるので、使い勝手が良いでしょう。

●「ビューカード ビックカメラSuicaカード」は、モバイルSuicaへのチャージで1.5パーセントのJRE POINT還元があり、チャージしたSuicaでビックカメラで支払いをすると10パーセントのビックポイントが還元されます。併用すれば、11.5パーセントの還元になります。ただし、Suicaへのチャージは、2万円が上限なので、高額な買い物ではSuica決済ができないことに注意しましょう。

また、JRE POINTサイトからSuica番号を登録すれば、加盟店や駅構内の自販機でのSuica利用でJRE POINTが0.5~1パーセント加算されます。Suicaユーザーにとっても嬉しいカードです。

■自動車編

よく車やバイクを利用するという人にとっては、ガソリン代の負担は大きいでしょう。ガソリンスタンドと提携しているクレジットカードを利用することで、ガソリン代が割引になります。割引の方法は、「リッター当たりの割引が固定価格」もしくは「○パーセント割引」の2種類になります。

また、カードを作る上で考慮したいのがロードサービスの有無と全国の店舗数。仮に旅先で給油が必要になった場合などは、店舗数が多い方が使い勝手が良いでしょう。

●「ENEOSカード」を利用すると、いつでもガソリン・軽油がリッター2円引きになります。レギュラー、ハイオクともに対象のため、車種に関わらず、ガソリン代を節約できます。
店舗数も1万を超えるので、旅先での給油も安心です。また、ロードサービスは、レッカー車が10キロまで無料、路上修理も30分まで無料と内容も充実しています。

●「apollostation card」は、出光とシェルが経営統合したことによりできた新ブランド。

こちらもガソリン軽油がリッター2円引きになり、経営統合したことにより、利用できる店舗数が大幅に増え6,000店舗以上になっています。また、月間利用額3万円(税込)以上でリッター最大10円引きになる「ねびきプラスサービス」も登場しています。

ジャンルを問わず、普段使いできる高還元のクレカは?

カテゴリー別にお得なクレカを紹介してきましたが、使い分けるのが面倒という人もいることでしょう。

そこで、ジャンルを問わず、普段使いできてポイントの還元率が高いクレカも紹介します。

●「クレディセゾン セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード」は、通常は0.5パーセントの還元ですが、カードを出さずにスマホでQUICPay決済をすると還元率が3パーセントになります。

QUICPayが利用できる店舗は、大手の飲食店や大型商業施設を中心に拡大しており、利用できる機会は多くなっています。iPhoneユーザーなら「Wallet」アプリから券面を読み取って設定さえしておけば、初回以降はスマホをかざすだけで決済が完了します。

●「三井住友カード Visa LINE Pay クレジットカード」は、QR決済アプリである「LINE Pay」に登録することで、2022年4月末までと期間限定ではありますが、2パーセント還元となります。貯まったポイントは、「LINE Pay」で1ポイント=1円から支払いに使えます。また、PayPayボーナスにも交換可能です。どこでも2パーセント還元は使い勝手が良いといえるでしょう。

●「オリエントコーポレーション Orico Card THE POINT」は、基本の還元率は1%ですが、カードを作ってから6ヶ月間は、どこで利用しても2%還元となっています。スマホ決済などと絡める必要はないところも手間がかかりません。オリコポイントが貯まりますが、1ポイント1円で、500ポイントから他社ポイントやギフト券などに交換ができます。交換さえすれば、全国に数多くある加盟店で利用できて汎用性は高いといえるでしょう。


今回は現時点(2022年3月)でお得なクレカをご紹介しました。数年前にお得と言われていたクレカと随分顔ぶれが変わったのではないでしょうか。今は高還元でも状況が変化すればサービス内容が変わってしまうこともあります。頻繁に変更するのは手間がかかりますが、クレカは作りっぱなしにせずに、定期的に見直していくことが大切ですね。

© 株式会社マネーフォワード