背負子姿の配達員、谷戸の奥の高齢者を見守り 横須賀

谷戸地域の配達で活用している背負子も披露された協定締結式=横須賀市役所

 神奈川県横須賀市は17日、市内の谷戸地域で配達を開始したパルシステム神奈川(横浜市港北区)と、防犯と地域の見守り活動に関する協定を締結した。谷戸地域は高齢者や子どもなどの見守りも難しいことから、配達を通じて通報や安否確認などに協力してもらう。

 市内の谷戸地域には細い道や階段があり、建物に車を横付けできない場所が多く、高齢者を中心に買い物が困難になっている。パルシステムでも配送コストが課題となっていたが、昨年10月から汐入町などで配達を始め、現在は谷戸7地域の約240戸に、軽トラックや背負子(しょいこ)を使って食材などを運んでいる。

 協定では、配達中に察知した不審者情報や高齢者の異変などを通報してもらい、防犯や孤立死の未然防止などにつなげる。

 協定締結式でパルシステム神奈川の藤田順子理事長は「市民の安全安心と心豊かな暮らしに貢献したい」とあいさつし、上地克明市長は「谷戸の事情を理解してもらい、市にとって心強い」と感謝していた。

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