投資の知識は得たけど経験を積むにはどうすればいいのか?実践的な方法を解説

投資に関する知識は学んだけれど、実際に投資をして経験を積み上げていくにはどうすべきか、悩んでいる初心者の方もいるでしょう。

そこで、Twitterフォロワー数8万人の現役サラリーマン投資家・長期株式投資氏(@budoukamail)の著書『オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資 ど素人サラリーマンが元手5万円スタートでできた!』(KADOKAWA)より、一部を抜粋・編集して投資をして経験を積み上げていくための実践的な方法を紹介します。


投資資金は給料日に確保

毎月積み立てられる投資金額は、1人ひとりの置かれた状況によって異なると思います。私も5万円からのスタートでした。

投資資金がいくらであろうとも、給料が振り込まれたら、その日のうちに資金を証券口座へ移してください。

「振り込まれた給料で1カ月間生活して、残ったお金を投資にあてよう」と考えている人もいると思います。

そういう発想だと、間違いなく計画は頓挫します。当初想定していた金額が次の給料日前まで残っていることは、ほとんどありません。

給料が入ったら、まずは投資資金を確保しましょう。

その際に気を付けてほしいのは、無理をしないことです。

無理して証券口座へ多額の資金を移したものの、生活費が足りなくなってしまい、証券口座から引き出してしまうと、いつまでたっても運用資産は育ちません。

そういったことは一度おこなうと、クセになります。

投資にあてるのは、「証券口座へ移したお金は、なくなったのと同じ」という覚悟を持てる程度の金額にしておきましょう。

急がなくても大丈夫です。大きな金額を運用するのは、経験を積んで実力がついてからでも決して遅くはありません。

ちなみに現在では、銀行口座から証券口座へ送金する際、即時入金サービスの手数料はほとんどの証券会社が無料となっていて、かつ、スマートフォン上の操作だけで簡単に資金を移すことができます。

なお、1株投資をする際には、手数料をチェックしてください。

証券会社によっては、買付手数料が無料でも、売却時に手数料が高くなっていたりするケースがあります。

ご参考までに、私はSBIネオモバイル証券で1株投資をおこない、住信SBIネット銀行から送金しています。

SBIネオモバイル証券は、月額の取引金額50万円まで、取引手数料は定額の220円です。しかも、投資に使える200円分のポイントが毎月付与されますので、実質の月額手数料は20円となります。

また、住信SBIネット銀行からSBIネオモバイル証券へ送金する場合は、即時入金され、手数料は無料です。

初心者が選ぶべき銘柄とは?

券口座に投資資金を入金したら、次は実際に株を買っていきましょう。

どの銘柄を買うかを考えることは株式投資の醍醐味の一つだと思いますが、株式投資に慣れるまでは、「倒産可能性の極めて低い銘柄」を中心に投資していくのが無難でしょう。

その上で、自分が投資してみたいと思えるような銘柄を3銘柄ほど選択して、ポートフォリオに組み込んでみましょう。私も当然、そうします。

またその際は、「連続増配を継続している銘柄」や、「株主優待を実施している銘柄」からも選ぶと思います。

中には連続増配を継続していながら、株主優待を実施している銘柄もあります。選択肢は無数にありますので、ご自身で考えて選んでみてください。

ここからは、具体的な手順をステップ形式で紹介していきます。

ステップ1 銘柄を1株ずつ買う

まずは、本書で紹介した、死ぬまで持ちたい17銘柄+ご自身で選んだ3銘柄の計20銘柄を1株ずつ買っていきます。

1週間に1銘柄ずつ買ってもいいですし、資金に余裕のある方は毎日1銘柄ずつ増やしていくのもいいでしょう。

ただし、一気に買うことは避けてください。繰り返しますが、投資初心者が最も大切にすることは、相場で生き残ることです。

「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ」

と自分自身に言い聞かせながら、じっくりと取り組んでください。

ステップ1で銘柄を1銘柄ずつ買い続けていくと、1週間に1銘柄ずつ投資した方は約5カ月後に、毎日1銘柄ずつ投資した方は約1カ月後に、20銘柄に分散されたポートフォリオができています。

こうしてステップ1を終えたとき、同じ1株でも、株価が数百円の銘柄もあれば、数千円のものもあるはず。各銘柄への投資金額は、株価によりバラバラでしょう。

次のステップでは、このバラツキを調整していきます。

ステップ2 各銘柄への投資金額を均一に調整

ステップ2では、投資金額を均一に調整していきます。

「どういうこと?」と思ったかもしれないので、具体的に分かりやすく説明しますね。

たとえば、保有している銘柄で最も高い銘柄Aの株価が1株6000円、最も安い銘柄Bの株価が1株600円としましょう。

この場合、最も安い銘柄Bを9株、買い増しします。すると、銘柄Aへの投資金額は、株価6000円×1株=6000円。銘柄Bへの投資金額は、株価600円×10株=6000円。これで投資金額を均一に調整できました。

同様に、株価1000円の銘柄Cがあれば、5株買い増しして、株価1000円×6株=6000円。株価2000円の銘柄Dがあれば、2株買い増しして、株価2000円×3株=6000円。

このように調整を続けていくことで、投資金額が20銘柄にほぼ均一に分散された株 式ポートフォリオが完成します。

ここに到達するまでの期間は、1週間に1銘柄ずつ投資してきた方は10カ月程度、毎日1銘柄ずつ投資してきた方で2カ月程度です。

実はこの段階ですでに、ポートフォリオは理想的な形になっています。

明確な投資目的を持たず、投資手法も学ばずに何となく投資している個人投資家とは、雲泥の差がついているのです。

自信を持ってください。

ステップ3 キャッシュを含めてポートフォリオを考える

テップ2までで、株式ポートフォリオは完成しています。

あとはコツコツと1株投資を継続していくことで、運用資産は増加していきますし、得た配当金を再投資することによる複利効果で、そのリターンはどんどん加速するでしょう。

いよいよ最終段階のステップ3では、現金比率とリバランスを考慮したポートフォリオを構築していきます。

「ご自身の年齢と同じ数値の%」を現金で保有しておき、その現金比率を維持するため、1年に1回リバランスするというものでしたね。

具体的な方法としては、証券口座へ入金しても、その全額を投資にまわすのではなく、一定金額を現金で残しておくようにするのです。

これも一気にやろうとせずに、積立投資を継続しながら、徐々に現金比率を増やしていけばよいと思います。ちなみに私は44歳なので、株式:現金=56:44となります。

このような過程を経て、最終的には、株式と現金の比率が一定に保たれ、株式は20銘柄に均等に分散されたポートフォリオが構築されるというわけです。

あとは継続あるのみ。

1株投資を継続して、保有株数が100株に達すると、株主優待を受け取れる銘柄もあります。もちろん配当金も定期的に振り込まれ、その金額は毎年増加していくで
しょう。

1年も続けていれば、株式投資への理解も深まっているはず。自分なりの考えを反映させた投資を試みるのもおもしろくなるでしょう。

この段階までくれば、株式投資を楽しみながら実践できるようになっているはずです。

いかがでしたか? 拍子抜けするくらい簡単だったのではないでしょうか。

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