今泉佑唯 再び主演!「修羅雪姫 -復活祭50th- 修羅雪と八人の悪党」 開幕!「お前らの思い通りになってたまるか!」

昨年2021年、活動を休止していた女優今泉佑唯の復帰作として舞台化され、連日 sold out の盛況となり作品的にも高評価を得た。
この「修羅雪姫」が、今年2022年、誕生から50周年を迎える。
そして日本の演劇の殿堂、紀伊國屋ホールにて「修羅雪姫-復活祭 50th- 修羅雪と八人の悪党」として上演。この壮大な物語の復活祭の演劇舞台化は、岡村俊一が紀伊國屋ホール用に「修羅雪と八人の悪党」として手を加え、新たな構成演出を。また新たな脚本を、北区つかこうへい劇団出身で、俳優からナレーターまで幅広い活動を続ける久保田創が担う。
修羅雪と八人の悪党が繰り広げるダイナミックなアクション活劇主演の修羅雪姫には、昨年、女優復帰をとげ大好評の中で復活した今泉佑唯が再びこの大役に挑む!
そして貧民窟に身を隠す謎の闇医者に高橋龍輝、雪を追い詰めながら見守りつづける警視庁のエリートに瀬戸利樹、数々の舞台出演はもちろん近年映像作品への進出もしている細貝圭が修羅雪姫の最大の敵を演じる等、若手個性派俳優が修羅雪を取り囲む。そして日清戦争の悲劇、中国から密輸された殺人鬼を玉城裕規が演じるほか、舞台企画「エン*ゲキ」シリーズ等で作家、演出家としても活躍している池田純矢が反政府運動のテロリストとして出演する。そして、トップダンサーから女優と幅広い活動を繰り広げ、本作の振付も担当する水野絵梨奈 と元NMB48の井尻晏菜が修羅雪姫の復活祭に華をそえる。
トランペットの音、軍隊の様子、日清戦争で勝利した大日本帝国、「大日本帝国、万歳!!」と叫ぶ。そこへ怒号が、「女だ!」囚人、脱獄、服には番号が記されている。主人公である修羅雪姫の生い立ち、彼女の母・小夜、悲惨な目にあい、さらに獄中に。小夜は獄中で出産、産まれた女の子に雪と名づけ死ぬ。雪は剣豪でもあった道海和尚の元で厳しい修行を身に着け、自分を産んでくれた母に代わって復讐を誓う。

映画では梶芽衣子や釈由美子が演じていた大役、前回公演でも凛とした佇まいで熱演していた今泉佑唯が再び、この世界的に知られているヒロインに再挑戦する。今回は「修羅雪と八人の悪党」として手を加え、岡村俊一が新たに構成演出、脚本は出演もしている久保田創。骨格は変わらないが、ヒロインを取り巻く人物、一部キャストが変わり、そして今だからこそ、の設定も付け加えられている。

今泉佑唯のヒロイン、凛々しく、懸命さだけでなく、堂々たる佇まいで存在感を放つ。前回より一回りも二回りも成長、当たり役。そして前回に引き続きの細貝圭が、さらにパワーアップして修羅雪姫に立ちはだかる。あまりの憎々しさ、突き抜けた感があって物語のダークなパートを一気に担う。高橋龍輝も再びの登板、ラスト近く、見せ場を作る。

そして狂った殺人鬼の玉城裕規、出番は少なめだが、要所要所で場面をさらう。そして池田純矢が反政府のテロリスト、自由と平等を掲げ、演説するシーンは見せ場の一つ。「馬鹿げた戦争は今すぐにやめなければならない」という台詞があるが、今、まさにロシアとウクライナで戦争状態、子供達まで犠牲となっている現実とシンクロする。また、後半、病に倒れるが、実は1899年に、海外から持ち込まれたとみられるペストが日本で初めて流行。現在、ペストは日本では患者は出てないが、新型コロナウイルスが蔓延して2年が経つ。そんな状況ともシンクロする内容。ヒロインは復讐に燃えていたが、こういった様々な人々と出会い、文字通りの修羅場をくぐり抜け、考え方が少しずつ変わっていく。復讐の旅を続けると覚悟を決めていた、「母の恨みを果たす」と誓っていたが、ラスト近くでは『すべての人の幸せ』を願うようになる。また、細貝圭演じる超悪キャラ、「勝ったやつが正義だ」と言い「俺の代わりはいくらでもいる」と言う、意味深な言葉。激しい殺陣、アクション、迫力。舞台の作り手の心意気も感じる作品、公演は27日まで。

なお、ゲネプロ終了後に会見とフォトセッションが行われた。登壇したのは、今泉佑唯、高橋龍輝、瀬戸利樹、細貝圭、玉城裕規、池田純矢、岡村俊一。
岡村俊一は「再考に再考を重ねた」と語るが、この数ヶ月の間に世界が大きく変わった。殺陣については「今泉の腕がパンパンです(笑)」、元々殺陣のシーンは多かったが、さらに増量、見応えは十分。キャストの挨拶、途中で中止になったりする公演が相次いでいる中、「無事に千秋楽まで」「最後まで」という発言が多かった。今泉佑唯は「この作品で11月に復帰させていただきました。この作品は私にとって特別な作品です」とコメント。

今泉佑唯は作品への思い入れを聞かれると「思い入れ? 思い入れってなんですか?」と少々、とぼけた発言(笑)。
「最近はSNSが発達してきて見ず知らずの人から傷つけられる時代になって、思わぬ一言で傷つけたり、傷つけられたりすることがたくさんありました。私は傷つける怖さも、傷つけられる怖さも体験して、『生きるってなんなんだろうなぁ、こんなにつらいことなのかな』ってことがすごくたくさんありました。この作品に出会って『生きるって楽しいな、素敵なことだな』と思えるようになったので、いろんな時代の方に見ていただきたい。『明日からも頑張ろう』って思っていただけたらと思って一生懸命やらせていただきました」と語った。最後に「この作品を通して少しでも勇気だったりとか元気をもらえたらいいなってみんなで一生懸命やらせていただきます。お楽しみに〜ありがとうございました!」と締めくくって会見は終了した。

<前回公演レポ記事>

概要
「修羅雪姫-復活祭 50th- 修羅雪と八人の悪党」
原作:小池一夫・上村一夫
構成演出:岡村俊一
脚本:久保田創
出演:今泉佑唯/高橋龍輝 瀬戸利樹 細貝圭/水野絵梨奈 井尻晏菜
大串有希/武田義晴 久保田創 濱田和馬 近藤雄介 河本祐貴
久道成光 松本有樹純/玉城裕規 池田純矢
会場:紀伊國屋ホール
日程:2022年3月18日(金)~3月27日(日)
問い合わせ Mitt 03-6265-3201(平日 12:00~17:00)
公式サイト http://www.rup.co.jp/
提携:紀伊國屋書店
企画・製作・主催:アール・ユー・ピー

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