【MLB】カブス鈴木誠也「熱意に心がやられた」 複数球団の争奪戦…入団会見で語った舞台裏

カブスに入団した鈴木誠也(左)とホイヤー球団編成本部長【写真:盆子原浩二】

5年101億円は日本人野手最高額「全てが良すぎて。家で見て涙するぐらい」

カブスと5年契約を結んだ鈴木誠也外野手は18日(日本時間19日)、アリゾナ州メサの球団施設で入団会見を行った。背番号は「27」。約31分間の入団会見では「素晴らしいチームですし、たくさん評価をしていただいて、その熱意に心がやられて。それが一番の決め手でした」と決断の理由を語った。

パドレスなど複数球団による争奪戦だった。カブスの交渉に大感激したという。米複数メディアによると、5年8500万ドル(約101億2000万円)の大型契約で、日本人野手のメジャー移籍時の契約としては史上最高額。「トレード拒否権」も付いた。「いや、もう全て。全てが良すぎて。家で見て涙するぐらい。本当に素晴らしいものだったので、心臓がバクバクしました」と振り返った。カブスに所属していたダルビッシュ(現パドレス)からもアドバイスをもらっていた。「街もいいですし、ファンも人もすごく情熱があって素晴らしいチームと聞いています」と打ち明けた。

昨年12月初旬からロックアウトに突入して、移籍交渉は凍結した。「ロックアウトになって交渉がなくなり、もう何も連絡がない状態だったので。自分のやれることをしっかりやって。僕自身はここに来る意思は強かったので、とにかく万全な状態で準備をしようと待ってました」と約3か月間に及ぶ“空白の期間”を振り返った。ダルビッシュだけでなく、パイレーツ筒香嘉智、レッズ秋山翔吾から助言を受け、「どういう生活をしているか聞いてみて、色々と本当に参考になった部分もたくさんありました。ただ、自分がここに来て感じるものもたくさんあると思うので、ここからしっかり馴染んで頑張りたいなと思います」と前を向いた。

黒田博樹が復帰した2015年からメジャーへの思いが強くなった

ドジャース、ヤンキースで投手として活躍した黒田博樹が2015年シーズンに広島に復帰。メジャーへの思いが強くなった。「ここをずっと目標にしてやってきて、ここで一番の選手になりたいという思いで日本でずっと取り組んできたので。ようやくそのチャンスがあるタイミングだったので、挑戦を決めました」と打ち明けた。「やれる自信は沸いてないんですけど、もっと力をつけて。今、選手に会いましたけど、体のサイズが違いすぎて、もっとトレーニングをしないとダメだと思いました」とも語った。

背番号「27」を選んだ理由については「マイク・トラウト。アイ・ラブ・ユー」と英語で話し、会場の笑いを誘った。ユニホームには「いや、もうなんかかっこいいですし、自分がここにいるのが信じられないぐらい。すごく嬉しい気持ちです。青のユニホームを着るのは初めてなので。すごく嬉しいです」と喜んだ。

スプリングトレーニングは短い。「もちろん日本の投手とは全然違いますし、スピードも身長も体格も違うので。自分の変化を怖がらずに、ここでアジャストするんだ、という気持ちで来ています。そこの変化の恐怖心は全くない。本当に打席に立って、自分が感じたことを打席の中でしっかりやれればいいのかなと思います」。メジャーリーガー・鈴木誠也としてスタートを切った。(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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